一度「ゼロ」になった街は、支え合いのなか甦る 冬の南相馬・小高で感じた熱いくらいの「温かさ」
提供元:南相馬市
「とにかく応援してくれる人が多い」
外から新しくやってきた人にとっても、小高という街はチャレンジしやすい場所だという。
筆者が出会ったのは19年12月に小高に移住してきた神瑛一郎(じん・よういちろう)さんだ。
東京都新宿区出身の神さんはこの地で一般社団法人「Horse Value」を設立。馬に乗って海や森を散歩するトレッキングや小高の街を馬に乗って散歩する「小高うまさんぽ」や、イベントへの馬の貸し出しや撮影協力といった事業を行っている。

国の重要無形民俗文化財に指定されている相馬野馬追が行われるなど、人と馬との生活が密接な南相馬の地で神さんは「馬を使った事業で人と馬を身近にしたい」と奮闘している。
「小高は挑戦がすごくしやすいところだと思います。
何事も前例がないことをやると弊害が生じてしまうものですが、(小高では)地域や地元の方が僕みたいに若い挑戦者の背中を押してくれるんです。他所から来た移住者と地元の方とのトラブルもないです。とにかく応援してくれる人が多いですからね」(神さん=以下同)

小高に「住んでみて良かった」とも話す神さん。地域に対する愛着もすでに沸いているようだ。
「小高は、今のままでいいと思います。やりたいことをやらせてくれて、背中も押してくれる。世間知らずな若者のやることに『それいいね』と言ってくれる。
不満があるとすれば、寒いことと、車が無いと厳しいことくらいですかね。若い芽を摘まずにやりたいことができる小高のままであってほしいです」