パワーアップしたのは「恐竜博物館」だけじゃない 至る所でヤツらを発見...福井県はもはや「ジュラシック・ワールド」だった
「福井県の恐竜博物館がリニューアルした」
そんなニュースを皆さんもどこかで目にしたかもしれない。
2023年7月14日、夏休みが始まる直前のことだった。約1か月後には入館者数が20万人を超えるなど、コロナ禍以前を超える盛り上がりを見せている。
「恐竜王国・福井」は今、どうなっているのか。Jタウンネットは3年ぶりにその魅力を"発掘"しに行くことにした。
福井駅で「恐竜」に遭遇した件
福井にたどり着いた記者は、"彼"に出会った。
ご紹介しよう。「恐竜くん」だ。
彼は、福井駅前にいた。迫力満点な恐竜モニュメントが集う「恐竜広場」に、お友達に会いに来ていたらしい。
恐竜くんに「恐竜博物館に行きたい」と話すと、彼が短い両手を上下に振った。案内してくれるようだ。
記者は、恐竜くんのポヨポヨ揺れるしっぽについて行くことに。すると、目の前に現れたのは――。
ジュラシックトレインで、いざ恐竜博物館へ!?
車体いっぱいに恐竜が描かれた、「恐竜列車」だ!
※恐竜列車に関する写真は特別な許可を得て撮影しています。
7月15日から走り出した観光列車で、土日祝日(冬季を除く)に1日1回だけ福井駅から運行。恐竜博物館の最寄り駅である勝山駅まで連れて行ってくれる。取材日の8月下旬時点では11月半ばまで予約でいっぱいという人気列車だ。
人気の理由は、外観だけではない。中に入ってみると......。
2両編成の列車の中は、それぞれ「ジュラシックゾーン」「化石発掘ゾーン」に分かれていて、中もとにかく恐竜尽くしなのだ!
車内のいたるところに恐竜や化石のオブジェ、イラストがあり、見ているだけでワクワクしてくる。
恐竜博物館にたどり着く前から恐竜の世界に誘いこむ恐竜列車。車内では恐竜に関するクイズやアニメ映像も楽しめるなど、遊び心が盛りだくさん。
時折、沿線でお見送りをしてくれている人(恐竜になりきっている人もいるらしい)に向けて、フクイラプトルの「鳴き声」を鳴らすことも。子供はもちろん、大人でもワクワクすること間違いなしだ。
このまま恐竜列車に乗って博物館へレッツゴー!
街にもいっぱい、お友達がいた!
......といきたいところだが、恐竜くんが大きすぎて他のお客さんが座れなくなってしまうため、今回は断念。あらためて、車で博物館へ向かうことにした。
福井駅から勝山駅までは、車で40分ほど。多くの恐竜化石が発掘されている「恐竜のまち・勝山」らしく、駅舎でも恐竜くんのお仲間が出迎えてくれた。
駅舎の中には、こんなものもあった。
フクイラプトルの全身骨格を描いたもので、なんとこれ、無数の切符でできている。使用済みの切符を使って、勝山駅の駅員が何か月もかけてコツコツ作っているんだとか(23年秋に完成予定)。さすが勝山、恐竜愛で溢れてる。
勝山駅から恐竜博物館へはバスで15分(タクシーだと10分)ほど。駅を出て、九頭"竜"川にかかる橋を渡った先では、恐竜モニュメントが待ち受けていた。
その他にも恐竜ポスト、恐竜マンホール、恐竜標識、恐竜花壇、恐竜看板......と大きさもスタイルも様々な恐竜たちが勝山には生息しているのだ。
その中でも、特に大迫力なのがやっぱりこの「ホワイトザウルス」。
のどかな田園風景の中に突如現れる真っ白で巨大な体躯は、圧巻!あまりにも大きなお友達に、恐竜くんのテンションも爆上がり。
そしてここまで来れば、恐竜博物館はもうすぐそこだ!
スケールアップした恐竜博物館で、いろんな恐竜を「体感」
恐竜くんに導かれてやってきた恐竜博物館。夏休み中だったこともあり、多くの人でにぎわっていた。
新館
リニューアル後の見どころは、なんといっても新しく生まれた「新館」。3階建てで、化石研究の体験や、13メートルにもなる「恐竜の塔」、ガラス張りの「見える収蔵庫」など今までなかった展示を楽しめる。
大きな恐竜骨格も展示できる巨大な空間「特別展示室」では、さまざまなテーマでの特別展を開催。開催期間以外は、まるで恐竜の世界に迷い込んだかのような気分を味わえる「3面ダイノシアター」となるので、こちらも必見だ!
本館
今回のリニューアルでは、新館だけではなく、本館もパワーアップ!
日本初公開の「恐竜の実物ミイラ化石」が10年間限定で展示されていたり、2020年の『恐竜ホテルに恐竜ポスト、恐竜マンホールまで...! 福井県が完全に「日本のジュラシック・パーク」化していた』でも紹介したティラノサウルスロボットの動きがアップグレードしていたり、全身骨格標本の数が増えて、躍動感ある展示になっていたりと、こちらも見逃せない。
拡大したレストランや、2倍の広さになったミュージアムショップも恐竜だらけで楽しい。
特にレストランでは、恐竜の姿をしたカレーや、化石発掘気分を味わえるオムライス、恐竜の歴史を美味しくたどれるケーキなど、ユニークなメニューが盛りだくさん。新館同様、"体験型"のレストランだった。
恐竜くん、いったい何をしているの?
恐竜博物館を満喫し、外に出たところで記者はあることに気付いた。
「あれ......恐竜くん......どこ......?」
どうやら博物館に入るタイミングで、はぐれてしまったらしい。連れてきてもらったお礼もまだ言っていないのに......と後悔していると、近くに「恐竜の生息地」があると教えてもらった。
もしかしたら、恐竜くんもそこにいるかもしれない。記者はその場所、「かつやまディノパーク」に向かった。といっても、博物館のすぐお隣だ。
かつやまディノパークは、たくさんの恐竜がいる「恐竜が棲む森」や「恐竜迷路」を歩いて巡ることができる屋外アミューズメント施設。博物館と同じ日にこちらもリニューアルオープンしていて、出会える恐竜(ロボ)が増えたり、「恐竜迷路」が遊べるようになっているそう。
恐竜くんとの再会を夢見て、そっと足を踏み入れると......。
※かつやまディノパークに関する写真は特別な許可を得て撮影しています。
さっそく、いた。仲間たちと一緒に過ごしていたらしい。また会えてよかった~!
......それにしてもこの森、どこからともなく恐竜の鳴き声が聞こえてくる。恐竜たちの時代にタイムスリップしたかのような気分になり、ドキドキする。
そんな記者の緊張を感じ取ったのか、恐竜くんが一緒に歩いてくれた。
森には恐竜たちだけでなく、大きな卵や骨まであり、その息遣いを感じることができる。
孵化を終えているらしい大きな卵を見つけた恐竜くんは――。
卵から顔をズボッ!
生まれたときのことを教えてくれているのかな? かわいらしい姿に思わずにっこりしてしまった。
「恐竜の棲む森」で、あの恐竜に会っちゃった!
その後も恐竜くんは、元気に森を進んでいく。
大空の王者・プテラノドンに挨拶しに行ったかと思ったら......
追いかけられたり。
大型肉食恐竜・ティラノサウルスと遭遇してしまい、恐ろしげなその姿に「これはピンチ!」と怯える記者をよそに......。
なんだかとっても嬉しそうだったり。
もしかして、ご家族......なのだろうか? 恐竜くんは大きなティラノサウルスと一緒に、森を抜けていく記者を見送ってくれた。
ありがとう、恐竜くん! 君のおかげで「恐竜王国・福井」をめいっぱい楽しめたよ!
一緒にいっぱい遊んだからお別れがちょっと寂しいけれど、またすぐに、会いに来るからね。
だって、2024年3月16日には北陸新幹線が福井・敦賀まで伸びて、ぐっと通いやすくなるから!
街中いたるところにいる恐竜たちに、リニューアルされた恐竜博物館、恐竜の世界に入り込める「かつやまディノパーク」。恐竜好きはもちろん、そうでなくとも一度福井を訪れたらその魅力の虜になるはずだ。
みなさんもパワーアップした恐竜王国を、体験しに行ってみては?
<企画編集・Jタウンネット>