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こんな「濃い顔」の人たちが古代の日本に住んでたの? 話題の「ユダヤ人埴輪」に会いに行ってみた

松葉 純一

松葉 純一

2022.10.11 10:29
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学芸員にも聞いてみた

「芝山古墳・はにわ博物館」館内の第1展示室では、千葉県内や関東の古墳文化を解説している。その中に、芝山古墳群のうちのひとつ「姫塚古墳」出土の「葬列の埴輪」についての展示がある。

姫塚古墳は全長58.5メートル、高さ4.8メートルの前方後円墳。1956年に行われた発掘調査で見つかった、あたかも葬列を示すかのように墳丘中段に一列に並べて立てられた45体の形象埴輪が「葬列の埴輪」だ。

特に目を引くのは、顎髭を蓄えて帽子をかぶる、男性の全身像埴輪7体。顎髭、帽子、そして両耳の脇に伸ばしてカールさせた髪の毛がなんともユニークだ。「武人」と名付けられている。

「背丈の高い、あごひげの武人」埴輪(芝山仁王尊・観音教寺所蔵、芝山町立芝山古墳・はにわ博物館保管・展示、無断転載禁止)
「背丈の高い、あごひげの武人」埴輪(芝山仁王尊・観音教寺所蔵、芝山町立芝山古墳・はにわ博物館保管・展示、無断転載禁止)

他にも、馬子と馬など10体、首飾りをした女性9体、農夫、琴を弾く人など、さまざまな埴輪が並べられていた。とくに馬の埴輪の大きさ、迫力は、圧倒的だ。当時の人々にとって、馬は相当に重要な動物だったことが想像できる。古墳に埋葬された支配者の愛馬を模したものかもしれない。

「馬」埴輪(芝山仁王尊・観音教寺所蔵、芝山町立芝山古墳・はにわ博物館保管・展示、無断転載禁止)
「馬」埴輪(芝山仁王尊・観音教寺所蔵、芝山町立芝山古墳・はにわ博物館保管・展示、無断転載禁止)

また、埴輪以外にも鉄剣・鉄鏃(やじり)などの武器、鞍金具などの馬具、金銅製耳環、須恵器などの副葬品も出土しているという。

古墳、埴輪、馬、鉄製品......これらを生み出したのは、いったいどんな人々だったのか? どんな地域社会を形成し、どのように暮らしていたのか?

幅広の帽子をかぶり、高い鼻で、豊かな顎髭をたくわえ、特徴のあるヘアスタイルをした、あのひとたちは、いったい誰なのか――?

博物館を出ると、外にはモニュメントがもう1体あった、「ひげの老人B」というタイトルの像だ。顎髭が強調されたユーモラスな顔。しかし鼻がデカい。帽子が似合っている。やはり「平たい顔族」日本人の祖先とはとても思えないが、1500年前の千葉に、こんな外見の老人がいたことは確かだ、と考えるしかない。

「芝山古墳・はにわ博物館」館外のモニュメント「ひげの老人B」
「芝山古墳・はにわ博物館」館外のモニュメント「ひげの老人B」

後日、Jタウンネット記者は、「芝山古墳・はにわ博物館」学芸員に「ユダヤ人埴輪」について電話で話を聞いてみた。

「ユダヤ人埴輪などと呼ばれて、最近話題になっていることは承知しております。そのせいか、入館者も多少増えてきているような気もします。ただユダヤ人であるという直接の証拠は、まだ見つかっておりませんので、なんともコメントしかねます」(「芝山古墳・はにわ博物館」学芸員)

これらの埴輪に興味を持った読者は、ぜひ千葉県芝山町の博物館を訪ねてみてほしい。東京都心からはちょっと時間がかかるが、1400年から1500年も前の時間を遡る旅に比べれば、たいしたことはないだろう。

埴輪は、はたして何者か?  展示された埴輪を見ながら、あなた自身で想像を巡らしてみてはいかが。

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