こんな「濃い顔」の人たちが古代の日本に住んでたの? 話題の「ユダヤ人埴輪」に会いに行ってみた
高い鼻、幅広の帽子、美豆良(みずら)、顎髭
Jタウンネット記者が「芝山古墳・はにわ博物館」に興味を持ったのは、ある書籍が話題になっていることを知ったからだ。
それは、「発見! ユダヤ人埴輪の謎を解く」(勉誠出版)と「ユダヤ人埴輪があった! 日本史を変える30の新発見」(育鵬社)。どちらも田中英道氏(東北大学名誉教授)の著書だ。これら2冊のキーワードである「ユダヤ人埴輪」を展示しているのが、この博物館だという。
田中英道氏が「ユダヤ人埴輪」と指摘する人物埴輪の特徴は、次のような点だ。
高い鼻、幅広の鍔がついた帽子、耳元の美豆良(みずら)、顎髭
美豆良とは、両耳の脇に長く伸ばしカールさせた髪型とのこと。これがユダヤ人の髪型「ペイオト」と似ているそう。
ここ芝山古墳・はにわ博物館には姫塚古墳、殿塚古墳(6世紀)をはじめ、芝山古墳群から出土した埴輪が数多く展示されているのだが......今から1500年前の千葉に、そんな容貌の人たちがいたとは、驚きだ。
ところで日本で最も古墳の数が多い都道府県をご存じだろうか。田中氏の著書『ユダヤ人埴輪があった』によると、仁徳天皇陵など大型古墳のイメージが強いため、近畿地方に多いと思われがちだが、実は古墳数第1位は千葉県。1万2000基以上があるという。これは奈良県や大阪府よりもはるかに多い。また群馬県、埼玉県、茨城県などでも、多くの古墳が発見されている。顎ヒゲを蓄える人物埴輪は、千葉県の他に、茨城県でも出土しているそうだ。
「五世紀から八世紀にかけて古墳群が造営されたこの地域、つまり関東および東北に大きな勢力が存在していたことが確認できます」と、田中氏は述べている(『ユダヤ人埴輪があった』より)。
それは、いったいどんな勢力か? 田中氏は「ユダヤ人渡来説」を提唱し、独自の古代史論を展開。ユダヤ系のほか、中央アジア系の人々も混ざっていたかもしれないという。
渡来人というと朝鮮半島や中国大陸から渡って来たと考えられているが、さらに西方、シルクロードの多様な人々も、日本列島にやって来ていたのだという。そして関東・東北を拠点に暮らしていた、なんて......? なんだかワクワクしてくる話ではないか。