福井の食通たちが選ぶ「究極のメニュー」がこちらです 越前がにからこだわりフレンチまで...超絶品を食べつくす!
カツだけが主役じゃない! オールスターキャストの新次元カツ丼に衝撃
越前がににぶちのめされてしまったが、これだけで帰ってはもったいない。筆者はAさんに再び連絡を取り、
「あなたが知っている福井県民の中で、一番の食通を教えてほしい」
と頼み込んだ。
食通から食通へ――数珠つなぎの要領で教えてもらえば、まだまだ最高の福井グルメに出会えると見込んだのだ。
そしてAさんが紹介してくれたのが、福井テレビのディレクター・小島梨花さんだった。
グルメロケの経験も豊富だという小島さんが
「今回は撮影などで出会った忘れられない丼をご紹介いたします!」
と紹介してくれたのが、福井県の内陸部・大野市にある「そば処 梅林」の「しょうゆかつ丼」。
福井県といえば、筆者も昨年食べたソースカツ丼がすでに名物の地位を確立しているが、大野市ではしょうゆかつ丼も有名だという。
トッピングは店によってそれぞれ異なり、梅林のしょうゆかつ丼は、ご飯の上に玉ねぎなどの辛味野菜。そして福井のソースカツ丼同様に薄いカツが3枚、その上に大根おろしと温玉、カイワレが乗っている。
ここに甘めのかつ丼用のしょうゆをかけて頂く。
かつ丼なのだから、当然カツがメインであろう。野菜はせいぜい付け合わせにすぎない――そう考えていた筆者が、馬鹿でした。
まろやかな温玉と甘めのしょうゆによって、カツの旨味がグンと引き上げられているのはもちろん、大根おろし、かいわれ、玉ねぎといった辛味のある野菜たちまでもが覚醒。甘さとまろやかさがほどよい辛味が引き出し、もっと野菜がほしくなってしまうのだ。
脇役と思っていた野菜たちが、カツに並ぶほどの存在感を見せつける。それは、例えて言うなれば「太陽にほえろ!」で新人刑事に負けず劣らず輝いていた小野寺昭さんや竜雷太さんを想起させる活躍ぶり。
カツの一人芝居かと思いきや、オールスターキャストで舌を満足させてくれる逸品だった。