江戸の宿場町から昭和の港町まで... ローカル線&路線バスで巡る「なんちゃってタイムスリップ福井旅」
甘くない抹茶パフェ...だと?
2日目は、古代三大要津(港)のひとつで、明治時代にはヨーロッパと日本を結ぶ窓口となった「敦賀港」周辺を、「ぐるっと敦賀周遊バス」を使って巡る。
現在も大型船舶が多く乗り入れる西日本の一大ターミナルでありながら、歴史ある街並みを多く残している。敦賀駅前から周遊バスに乗り込み、まず降りたのは「気比神宮」の近く。
最初の目的地である「中道源蔵茶舗」が、この神社のすぐそばにあるのだ。
江戸から明治にかけて運送業に携わり、戦後に日本茶専門店となったというこの店。
店内には「日本茶を日常に届ける」をモットーに、日本茶ソムリエの資格を持つ店長の中道尚子さんが選んだ茶葉や茶器などが並ぶ。
以前は、主に100や200グラム単位で茶葉を販売していたが、最近では1杯分の5グラムや、50グラム程度の使い切りサイズの販売もしているそう。普段茶葉でお茶を入れる機会の少ない人にも嬉しい計らいだ。
「家族の人数が昔と比べて減ってきている今、新鮮な茶葉でお茶を楽しんでもらうために少量での販売をはじめました。日常的に、毎日美味しく飲めるようなお茶を煎茶やほうじ茶、番茶、玄米茶...と12種類ほどセレクトしております」
と中道さん。中でもオススメとして、最もポピュラーで人気もあるという深蒸し煎茶の「あさつゆ」を紹介してくれた。
同店では近くに気比神宮があることから「参拝される方にゆっくりしていただければ」との思いで、2018年から喫茶営業も行っている。
寒すぎる冬の日ではあったが、その魅力的なビジュアルに惹かれ、筆者は一番人気の「お濃茶パフェ」(税込880円)を注文した。
ひとくち食べてみて、びっくり。
なんと抹茶ソースが甘くないのだ! しかし、ソフトクリームや小豆の甘さと抹茶本来の濃厚な苦みがぴったりで、どんどんスプーンが進んでしまう。
これは、甘党の人はもちろん、甘いものがあまり得意じゃない人でも美味しく食べられるのではないだろうか。しっかりとお茶の香りと味がするパフェは、まさにお茶屋さんならではといったパフェだった。