江戸の宿場町から昭和の港町まで... ローカル線&路線バスで巡る「なんちゃってタイムスリップ福井旅」
ヨーロッパへの玄関口 「敦賀港駅舎」を再現
港町らしい異国情緒あふれる雰囲気を楽しみながら、そのまま道なりに進んでいくと、「敦賀港駅舎」に辿りつく。
かつてシベリア鉄道を経由してヨーロッパへと続いていた「欧亜国際連絡列車」の発着駅だった「敦賀港駅」。その駅舎を再現したこの建物は、現在「敦賀鉄道資料館」として活用されている。
そして港沿いには、こんなレトロな倉庫群も。
1933(昭和8)年に建てられ、今も現役で使用されているこの倉庫群。「旧敦賀倉庫株式会社新港第一号・第二号・第三号倉庫」として2014年、登録有形文化財に指定された。シンプルなデザインや水平に連続して並ぶ窓などからは、当時世界的に流行していた「国際様式」という建築様式の影響を見ることができる。
小浜や熊川宿とはまた違う雰囲気の、どっしりと重厚感のあるレトロな建物がいっぱいな敦賀の街。
冬の海風を感じながら、敦賀港を眺めていたら、だんだんと暗くなってきた。しかし、今日はここで帰るわけにはいかない。なぜなら、筆者が訪れた日は北陸最大級のイルミネーション「ミライエ」が実施されていたからだ。
2021年は11月3日から12月25日まで実施されていた「ミライエ」。敦賀港の年末の風物詩である。
一面に光る青い電球や光のトンネルは圧巻で日本海側ではじめて鉄道が敷かれた敦賀らしいSLや気比神宮の鳥居といったご当地ならではモチーフのものがあるのも可愛らしい。
きらびやかなイルミネーションを見て――急に令和に戻ってきたような気持ちに。この2日間は、まるで江戸時代から現代まで、タイムスリップを繰り返しながら駆け抜けてきたみたいだった......。
歴史やレトロスポットに目がない皆さん、一気にいろんな時代を楽しみたいなら福井・嶺南に足を運んでみてはいかが?
今回筆者が巡ったルート以外にも、福井県内にはレトロで魅力的なスポットが色々ある。だが、港町や宿場町としての福井の歴史に触れることができる「嶺南レトロ旅」を、ぜひおすすめしたい。
冬空の下で見るレトロな街並み、最高だった。
<企画編集・Jタウンネット>