江戸の宿場町から昭和の港町まで... ローカル線&路線バスで巡る「なんちゃってタイムスリップ福井旅」
2022.01.21 12:00
提供元:福井県
「鯖街道」随一の宿場町
明治から昭和の雰囲気を存分に楽しんだ筆者が次に向かうのは、江戸時代。
JR小浜駅から西日本JRバスに乗り、約30分。到着したのは、「熊川宿」だ。
若狭で獲れた魚介類を京都に運ぶために使われ、中でもサバが人気だったことから「鯖街道」と呼ばれた街道の宿場町として賑わったこの地にも、当時の街並みが残っている。
こちらは、1624年から44年の寛永年間に当時の小浜藩主・酒井忠勝が設けたとされている「熊川番所」。2人の役人が勤めており、厳しい統制や物資への課税等を行っていたそう。
番所廃止後はしばらく民家として活用されていたが2002年に復原され、現在の形となった。
当時を再現し、2人の役人の人形が展示されているほか、番所内には刺又や突棒など、罪人を捕えるのに使用していた道具が展示されている。
また、熊川宿には「前川」と呼ばれる用水路が流れている。
かつては人馬の飲み水や生活用水にも使用されていた、豊富で激しい水流が特徴的な水路だ。平成の名水百選にも選ばれていて、今でも農業用水として用いられているらしい。
筆者が訪れたときはのんびりとした空気が流れていた熊川宿だが、現代にも残っている番所や水路、そして町家の数々を見ていると、活気ある宿場町として賑わっていたころの様子が目に浮かぶようだった。