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安心安全な農作物を東京五輪で提供しよう 福島県が取り組む「GAPチャレンジ」とは

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.02.06 15:00
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生産者の努力を見える化する「GAP」

そもそも「GAP」が指す「良い農業」とは、どんな農業なのだろうか。国連食糧農業機関(FAO)によると、

「農業の持続可能性を配慮したうえで、安全で健康的な食品や農作物を生産するための原則・指針」

とされている。

分かりやすく言えば、「農作物由来の食中毒事故が起きないようにする」「異物を混入させない」「肥料による地下水汚染などを起こさない」「農作業中の死亡事故を起こさない」などを実現するための取り組みがGAPということだ。生産者が果たすべき社会的責任、実践すべき必須事項とも言える。

しかし、こうした農場管理の取り組みはわかりにくく、伝わりにくい。福島県でも原発事故以降、放射性物質対策や検査、情報提供に取り組んでいるが、未だに風評が根強く残っている。そこで、福島県が進めているのが「GAP認証」の取得だ。

GAP認証とは食品業者、小売業者、政府機関などが参加した団体が設定するGAPの条件をクリアし認証されることを指す。日本国内では日本GAP協会等によって「JGAP」「ASIAGAP」が運用されており、各都道府県が独自に定めたGAP(福島県では「FGAP」)も存在する。海外ではバイヤーがGAP認証を求めることが常識になりつつあり、欧米では「GLOBALG.A.P.」、米国には「PrimusGFS」「FDA」などさまざまなGAPやGAPに通ずる認証制度があるようだ。

こうしたGAP認証を取得することは、見えにくかった食品の安全性確保への努力が第三者に評価され、「良い農業をしている」と認められたことになる。福島県としても県産農作物の安全性確保に向けた姿勢を示し、風評払拭をGAP認証によって目指す考えだ。

認証を目指す農家の支援にも積極的に取り組んでおり、「ふくしま。GAPチャレンジ推進大会」で発表された福島県の現在の取り組み状況によると、2018年1月5日現在で25件の農家がGAP認証を取得済。現在申請中の生産者全てが取得した場合、前年比6倍以上の取得件数になるという。

すでにGAP認証を取得している福島県産野菜の一部。トマトやシイタケ、米、桃などが並ぶ
すでにGAP認証を取得している福島県産野菜の一部。トマトやシイタケ、米、桃などが並ぶ

GAPの恩恵を受けるのは生産者だけではない。消費者もGAP認証を取得した農家から仕入れている食品メーカーや小売業者を通じて、安心・安全で高品質な食品を手に入れることができる。すでにイトーヨーカ堂やローソン、イオン、コストコ、日本マクドナルド、コカ・コーラなどが積極的にGAP認証取得を求め始めている。

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