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燃える雛人形、女神輿は弾み、ブラジャーが奉納される! 和歌山市「淡嶋神社の雛流し」

織江賢治(おりえ・けんじ)

織江賢治(おりえ・けんじ)

2014.02.24 19:02
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大海原へ向かった人形たちの本当の末路は

こうして30分ほどかけて目的の海岸に到着。すると、そこで待ち構えていた園児たちによる「明かりをつけましょぼんぼりに~」の大合唱がスタート。

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それが終わると、3隻の船は慎重に桟橋にスタンバイ。大人の神官が粛々と祝詞をあげ、巫女たちがパラリと紙吹雪を蒔いた後、船はサポート役の男性に支えられて、ついに大海へと出航します。

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お雛様、さようなら。これが今生の別れになってしまうのね。

「わが子の成長を見守ってくれてありがとう」
「今まで健康でいられたのは、お雛さまのおかげです」
「ずっと押入れにしまっていてごめんね」

見物している女性たちの胸に様々な思いが去来するなか、雛人形を乗せた船は小船に曳航されて、ゆっくりと、ゆっくりと大海原へと消えていきました......。

と思いきや、実は船は淡嶋神社近くの海岸まで戻ってきておりました。そしてガソリンだか灯油だかをぶっかけて、船ごと燃やして供養! これがいわゆる最終フィナーレ「焼納」ってヤツです。

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それにしても、お雛様のお顔が熱で溶けて油分がにじんでいく様子は、まるでポロリと涙を流しているかのようで、見ていて切なくなってしまいました。どうか安らかにお休みくださいませ。

さて次回も、とっておきのお祭りをご紹介します!

【淡嶋神社の雛流し】
日時:毎年3月3日
時間:正午すぎ~14時過ぎまで
場所:和歌山県和歌山市加太118(淡嶋神社)

今回の筆者:織江賢治(おりえ・けんじ)

1975年愛知県生まれ、茨城県在住。出版社勤務を経て現在フリーの編集者・ライターとして活動。雑誌やムックを中心に執筆や編集を行う。プライベートで全国の鉄道の駅とその周辺を歩く「駅鉄活動」をライフワークとし、それが高じて各地の祭りや風習、珍スポット探検なども行っている。今までに行った祭りは200以上。

【バックナンバー】
[第1回]新郎を雪上に投げ飛ばす! 新潟の奇祭「むこ投げ・すみぬり」
[第2回]ふんどし男のケツにウホッ! 千葉・匝瑳市「冷水ぶっかけ裸祭り」

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