みなとみらいや中華街だけが「横浜」じゃないんです! 2024年に生まれ変わるまち「ゆめが丘」の魅力に迫る

「横浜」
そう聞いて皆さんの頭に浮かぶのは、大きな観覧車や背の高いビルが立ち並ぶみなとみらいや、山下公園から見える海、異国情緒たっぷりの横浜中華街、沢山の人が往来する横浜駅といった風景ではないだろうか。
しかし、これらは横浜市のほんの一部。横浜市って、実は結構広いのだ(県内で一番広い市だし、大阪市やさいたま市の2倍くらいある)。
ただ......他に何があるかと聞かれると、困ってしまう。横浜市民であるJタウンネット記者的には「なにもない」というのが本音だった。

だがこの夏、横浜市内の「ゆめが丘」が、そんなイメージを覆すまちに生まれ変わるらしい。
というわけで今回は、ゆめが丘に「新しくできる場所」と「変わらぬ魅力を放つ場所」の両方をご紹介する。
ゆめが丘の「新しい魅力」

ゆめが丘駅は、横浜市泉区にある相鉄いずみ野線の駅で、横浜駅からの所要時間は最速27分。「ゆめ」を抱ける街づくりを願って名付けられ、1999年3月に開業した。アーチ形の鉄骨に囲まれた特徴的な駅舎で、ホームはなんだか近未来的だ。

そして2024年夏にこの場所に誕生し、ゆめが丘を生まれ変わらせるのが「ゆめが丘ソラトス」。駅直結の大規模集客施設である。
2024年7月、ゆめが丘ソラトス開業へ

ゆめが丘ソラトスは、相鉄グループの相鉄アーバンクリエイツ・相鉄ビルマネジメントが開発・運営する大規模集客施設。同社によると、ゆめが丘周辺の自然や地域資源を生かし、「食」「アクティビティー」「文化・教育」など、様々な体験ができる場所になる予定とのこと。約130店舗が出店予定。

中には地元・泉区産の食材を使うベーカリー「Goût Goût YUMEGAOKA」やビール醸造所「YUMEGAOKA SUNDAY brewing」、市内産の牛乳を使ったスイーツを楽しめる「Augusta MilkFarm」といった飲食店も。人気のチェーン店もいろいろ揃っているので、便利に使いつつ、 ゆめが丘ならではの買い物も楽しめそうだ。
ソラトスでの遊び方
映画館「109シネマズゆめが丘」のオープンも楽しみのひとつ。
ここには関東初の最新スペック版3面ワイドビューシアター「ScreenX」のほか、関東初の常設キッズ向けシアター「KIDS CINEMA」も導入予定。メインシアターの「IMAX」もエリア最大級とのことで、映画好きには堪らない場所になりそう。

施設内の「station view terrace」からは走る相鉄線が眺められるし、屋上には相模鉄道キャラクター「そうにゃん」をモチーフにした広場「そうにゃんぱーく そらの広場にゃん」も誕生するので、そうにゃんファン・電車好きも要注目だ。

楽しいだけじゃない!ソラトス
買い物もグルメも遊びも楽しめそうなソラトスは、ゆめが丘というまちの「住みやすさ」にも貢献したいと考えている。
そこで取り組むのは太陽光パネルの設置や、飲食店から出る生ごみのたい肥化と活用、井水中水システムの導入、自動配送ロボットの導入など。地域に愛され続けるために、CO2排出量や上水使用量の削減などを目指すそうだ。
ゆめが丘の「変わらぬ魅力」
ゆめが丘が生まれ変わると言っても、これまでの魅力がなくなってしまうわけではない。変わらない魅力も、もちろんある。
なんと言ってもゆめが丘がある泉区は、横浜市内でもっとも農地面積が多く、農業がさかんであり、豊かな自然も残る場所。
だからこそ、こんな体験ができる。
自然館泉ベリーキャンプ場
駅からたった5分歩くだけで辿りつく、ジャングルのような大自然。
それが、キャンプができる観光農園「自然館泉ベリーキャンプ場」だ。

鳥のさえずり、吹き抜ける風、揺れる木々の音。
横浜駅から約30分、渋谷駅から1時間弱で行ける開放感たっぷりのこのキャンプ場には、初心者と玄人キャンパーの両方が訪れるという。
ホタルが見られる区画やひまわり畑もあれば、あえて手を入れていないエリアもあるので、それぞれのニーズに応えているのだ。

この観光農園を営むのは、美濃口俊雄さんと息子の昌大さん。「土地自体も肥沃で石も混ざってないのが当たり前だから、他の場所の農家の人たちが驚くこともあります」と俊雄さんは言う。
そんな素晴らしい土壌で育った野菜も、敷地内の直売所で購入可能。

こんな豊かな自然に触れられるのに、アクセスが良いのも魅力的だ。
「僕が好きな海にも近いし、都会にも近いし、静かに過ごせる場所です」(美濃口昌大さん)
ゆめが丘までは横浜駅から30分、渋谷駅から1時間弱。都心からフラッと遊びに来られる、あるいは、遊びに行けるまちなのである。
ゆめが丘農園
横浜最大級の「ゆめが丘農園」があるのも、ゆめが丘駅のすぐそば。
1月上旬から5月中旬まで、イチゴ狩りを楽しめる。

「おいCベリー」や「紅ほっぺ」など風味の異なる7品種を栽培。おなか一杯イチゴを食べられるのはもちろん、食べ比べてお気に入りを見つける楽しさもある。

ゆめが丘農園でのイチゴ栽培は、99年のゆめが丘駅開業をきっかけにスタート。
それまではトマトなどを育てていた同園代表の美濃口等さんが「通いやすい駅チカの場所で、農業に触れる体験をしてほしい」という思いで、次第にイチゴを増やしていった。
「電車で気軽に来られる身近なイチゴ狩りを目指していました」
「駅ができたりと開発が進む中、食農教育の観点から通いやすい身近な場所で、農業に触れる体験をしてほしいと思っていました」

「病院は近いし、学校もあるし、電車も乗れて東京とか渋谷とかすぐ行けます。この前後楽園にいってきたんですけど、飛んでいけましたね」(美濃口等さん)
うーん、ゆめが丘って、かなり住みやすいまちなのかも......。
郊外ならではの魅力的なグルメも
親しみやすいお店があるのも、「郊外」の良さなのかもしれない。
ゆめが丘駅を歩きながら2つのお店にお邪魔したので、紹介しよう。
ファール ニエンテ
ファール ニエンテは、パンの製造販売と、ピザとパスタを中心とした料理の提供を行うレストラン。自家栽培や農家とのつながりから生まれた、地元の素材を使ったグルメを楽しめる。自家製粉の小麦や畑で育てた野菜を使っている。

一番人気はピザの「きまぐれオルトラーナ」(税込1750円)。
時期によって具材が変わるというピザは、野菜たっぷりでボリューム抜群!

香ばしくもっちりとしたピザ生地と、シャキシャキした新鮮な野菜。
あまりのおいしさにお腹も心も満たされてしまった。
ファール ニエンテ
住所:神奈川県横浜市泉区和泉町1011-1アクセス:相鉄いずみ野線ゆめが丘駅から徒歩7分
公式サイト:http://www.hirakukaicp.or.jp/farniente/
横濱アイス工房 ゆめが丘
「横濱アイス工房ゆめが丘店」は、変わったウシのオブジェが目印。ラーメン店と一緒になっている、というのもユニークなポイントだ。

ここで出てくるアイスに使われているのは、横浜市内の牧場・小野ファームから直送された牛乳。朝の搾りたてだという。

人気メニューはもちろん、「ミルク」のジェラート(税込450円)。手作りのさっぱり感とコクが自慢らしい。
一口食べてみると、ふんわりとしたなめらかな食感、濃厚で甘すぎない味わい。
とれたての牛乳で作るアイスは、こんなにもおいしいものなのか......!
季節によって地元農家の果物や野菜もメニューに取り入れているというので、何度も通いたいところだ。
駅直結の大規模集客施設に、駅から5分の大自然。こんなに豊かなギャップは、ゆめが丘ならではだろう。
今回ご紹介したのは、その一端に過ぎない。一度自分で歩いてみれば、さらなる良さが見つかるはず。
というわけで――2024年、魅力いっぱいのまち「ゆめが丘」から目が離せない!