「こどもまんなかアクション」が〝日本がよくなる原動力〟に こども家庭庁主催「こどものまわりのおとなサミット」
「ともに過ごす」ができるということ
「WakuWakuの家」や「子育てネットくすくす」では、〝子育て〟や〝親〟も重要なキーワードだ。
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「WakuWakuの家」では、古民家をつかった民間の学童やフリースクールを運営し、異年齢の子供たちが混ざり合うインクルーシブな居場所を提供。それに加えて、子育ての悩みを抱える親たちの交流の場、様々な世代との交流の場として、地域コミュニティの食堂「WakuWaku食堂」も展開。地域の人に「助けてもらう」という形で始めたが、今では地域の人たちにとっても楽しみのひとつになっているそう。
「子育てネットくすくす」の活動は、地域子育て支援施設「子育て広場」や、児童や中高生のための放課後等デイサービス、子ども食堂やひとり親等生活困窮家庭への食糧支援、不登校などの居場所支援など多岐にわたる。
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それは、子供たちの幸福のためには「親子を中心とした家族全体への支援が必要である」という前提に立っているからだ。彼らは、住民同士の支え合いと学び合いに基づく地域子育て環境づくりを目指している。
2つの団体には、どんな子供たちもともに過ごすことができる場所を作りたい、という思いも共通していた。
ダウン症のある子の親の会「NPO法人アクセプションズ」に所属する鈴木英莉那さんが立ちあげに携わった団体「一般社団法人HAKKEN」の活動も、〝ともに過ごす〟状態を生み出すものだ。
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「障がい者福祉をみんなのものに」をミッションに活動中の同団体では、「地域住民が気軽に遊びに来るマルシェで知的障害のある人たちが働く世界を創る」として年に2回「SJEマルシェ」を開催したり、障害のある人と社会を繋げる交流イベントを開催したり、多様性組織の作り方を考える研修プログラムを実施したりといった取り組みを行っているという。
子供のための活動を行っていると一口に言っても、各団体のアプローチははそれぞれ異なる。
しかし、共通していたのは子供たちの声を尊重し、彼らが安心して〝居る〟ことができる場所を作ろうとしていること。それが子供たちだけでなく、周りも巻き込んで広がっていっていること。
発表会に参加していたこども家庭庁成育局成育環境課長であり、こどもまんなかアクション推進室長も務める安里賀奈子さんは会の最後に、各地で生まれているそんなムーブメントについて、「子供の声さえ聞く社会は大人の声だって聞く社会だし、絶対に日本全国がよくなる原動力になると思っています」と述べた。
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「子供のための居場所って目指して作ったものが、活動している大人の居場所になったり、ちょっと上の世代の居場所にもなったりする。
地域にいろんな、多様な〝居場所〟が豊かにあって、子供たちが好きなところに行ける。その場所ではちゃんと子供の声が聞かれて、躾じゃない。
そうすると、(発表会参加者の)皆さんの活動に参加されているお子さんがそうであるように、目が輝いていって、その輝きを見ると、大人たちも元気になる。
この素敵な循環をきっと作り出していけるな、と今日すごく嬉しく思っています」(こども家庭庁・安里賀奈子さん)