エンゼルスの「兜」作った工房「丸武」は、超楽しい「甲冑テーマパーク」でもあった 「大谷モデル」に信長、家康...その魅力を完全レポート
入場はなんと無料!その訳は?
薩摩川内市は鹿児島県北西部に位置する。2023年4月14日、川内川下流の畔、川内港近くの工業団地の中にある「甲冑工房 丸武」で、代表取締役社長の田ノ上智隆氏が出迎えてくれた。エンゼルスの兜について報じるテレビのニュース番組や新聞報道にもひんぱんに登場した、今や時の人でもある。
「実は、最近取材依頼が殺到しておりまして、いま本業が手に付かないような状態です」と、田ノ上社長は苦笑しながら、こう話してくれた。
「今回のエンゼルスの兜をとおして、日本文化の一つである兜が世界中に知れ渡ったことが嬉しいですね」
「鹿児島県内在住の方から、電話で、あの兜が鹿児島県内で作られていることをまったく知らなかった、製造元が県内であることが嬉しくて、とても誇らしく感じたとおっしゃっていただきました。私も思わず目頭が熱くなったほど、感激しました」(田ノ上社長)
「甲冑工房丸武」は1958年に釣り竿メーカー丸竹として設立。田ノ上智隆社長の祖父・ノ上忍『光忍』の趣味をもとに、鎧つくりがスタートしたという。TV・CM・映画・アニメゲームキャラクター・武者行列・博物館・文化財指定の写しやリース鎧の作成などを手がけ、日本国内外の愛好家に愛され続けている。
薩摩川内市では、1990年から「戦国村」という名の観光施設を運営していたが、2018年、「甲冑工房 丸武」本社としてリニューアルオープン。今ここには、映画や大河ドラマなどに使われた甲冑(鎧・兜)などの展示館や、その製造工程を見ることができる甲冑工房がある。他に、戦国グッズのお土産処、お食事処、コルク射的場なども......。しかも入場無料だという。入場無料にした訳を、田ノ上社長はこう語った。
「歴史や甲冑に興味のない人にも、来てもらいたいからです。とりあえず来てもらって、実際に観てもらいたい。興味を持ってもらうのは、それからでいいのです」
「子どもたちに来てもらうのも目的の一つです。子どもに見てもらうため、入場料は無料にしたわけです」(田ノ上社長)