こんなトコまで「めがね」かよ! 顔ハメにマンホール、そしてフェス...「鯖江めがね」の故郷の「めがね愛」が凄すぎた
3000本のめがねが並ぶショップもある
そんな歴史を持つ福井県産めがねを、めがねミュージアムでは買うこともできる。
館内のめがねショップには50社150ブランドの約3000本の福井県産のめがねが常に並んでいる。
これほど多くの国産めがねが揃っているショップは珍しいそう。
店員さんによると、福井県産めがねの特徴は「かけ心地のよさ」。
素材にこだわり、そして製作の最終段階の調整は今でも人の手で行っているため、実用性が高く、長く使えるものが多いのだそう。
記者も何本か試着させてもらったのだが、あまりのかけ心地のよさにビックリ。まるでつけていないみたいで、まさに「顔の一部」という表現がぴったりな馴染み具合だった。
だからこそ、これだけ豊富な種類の中から自分の顔になる1本を選ぶのはなかなか大変そう。利用者の中にはめがねデビューという人も多く、長時間悩む人も多いとか。
しかし、ここでなら「似合うめがねが絶対に見つかります」と、店員さんから非常に心強いコメントが。スタッフさんにお願いすれば似合いそうなめがねを探してもらうこともできるという。
あれもこれもよくて悩んじゃうかもしれないが、きっとお気に入りの、ベストな1本を見つけることができるはずだ。ちなみに、定番のデザインは常時あり、それに加えて順次各ブランドから新作も出てくるため、来る度に新しい出会いがありそう。新作が一番多いのは1月頃だという。
ミュージアムでは既製品を買うだけでなく、「自分だけのめがね」を手作りすることも可能だ。2階にある「体験工房」で実施される「めがね手作り教室」(公式サイトからの完全予約制)では100種類近くあるデザインから好きなフレームの形を選ぶことができ(追加料金で図面持ち込みも可)、めがねの正面の「フロント」と横の「テンプル」をどんな色や模様にするのかも約500種類のフレーム素材(アセテート)の中から自分で決められる。
素材を選んだら型紙に合わせて糸のこで切削し、やすりで形を整える。本場のめがね職人がそばにいるので、ポイントを聞きながら進められるのも嬉しい。
フレームの厚みなど、自分だけのこだわりを詰め込みつつ、仕上げは職人さんにお任せするので、出来上がりに期待が募る。
切削はなかなかの体力勝負で、通常コースは10時から17時(昼休憩1時間含む)と1日がかり(15時までの時短コースの場合はフロント部分の切削のみで、テンプルは職人さんにおまかせ)。だが、世界で1本しかない自分だけのオリジナルめがねを作るともなれば、デザインも切削も妥協はできない......。
めがねを愛する人、めがねのデザインにこだわりたいという人にはたまらない貴重な体験教室だ。
見るもよし、買うもよし、作ることも学ぶこともできる。鯖江は、まさに眼鏡好きの「聖地」だ。
日頃からめがねにお世話になっている人もこれからお世話になるかもしれない人も、一度「めがねのまち さばえ」に行ってみてほしい。
きっとあなたの「めがね観」はグッと深まるだろう。
<企画編集・Jタウンネット>