「クリスマスイブ、女2人で訪れたフランス料理店。食後にアイスティーを頼んだら、スタッフが勘違いして...」（静岡県・50代女性）

シリーズ読者投稿～忘れられない「あの人」と～　投稿者：Uさん（静岡県・50代女性）

30年前のクリスマスイブの日、Uさんは会社の後輩とスキーツアーに出かけ、ホテルのフランス料理店でディナーを取ることにした。

そこで後輩がアイスティーを頼んだところ、スタッフが勘違いして思わぬ展開に......。

＜Uさんの体験談＞

もう30年も前の出来事です。当時、お付き合いしている男性もいなかった私は、クリスマスに会社の後輩の女性と2人でバス会社のスキーツアーに行きました。

ツアー先は白樺高原で宿泊期間は2泊3日、ディナーは和食、洋食、タイ宮廷料理から選ぶことができて、私たちは洋食を選んでいました。

「クリスマスに女二人って...」

2日目の夜、12月24日のクリスマスイブ。私達は夕食のために、ホテル内のフランス料理店へ。

窓際の席に案内され、運ばれてくるコース料理を食べながら、

「クリスマスに女2人って...って思ってたけど来てよかったね～！」

などと会話していました。

1時間半ほど経った後、係の若い女の子が食後のドリンクを聞きにやってきて、「コーヒー、紅茶、オレンジジュースからお選び頂けます」と言われたので、私はコーヒー、後輩は紅茶を選択。

この時、後輩が係の子に「アイスって注文できますか？」と尋ねると、彼女は戸惑った様子で「少々お待ちください、確認して参ります」と厨房へ向かいました。

係の子が戻ってくると...

「氷入れるだけなのに、出来ないのかなぁ......」

私たちがそんな会話をしていると、係の子が戻ってきてにこやかに言いました。

「別料金になってしまいますが、アイスの注文もできます！バニラとチョコと、柚子シャーベットと...」

係の女の子は、後輩がアイスクリームを注文できるかどうか尋ねたと思っていたのです。

彼女の言葉を聞いた後輩は「冷たい飲み物が注文出来るかを聞きたかったんだけど......」。女の子は「あ～！！」と納得していました。

ただ、結果的に私たちはそれぞれ2種類ずつアイスクリームを注文することに。後輩が、こう言ってくれたのです。

「アイスクリームも注文できるんですか？それだったら、Uさんが明日誕生日だから、私がお祝いにアイス奢るよ！」

そう、私の誕生日は翌日の12月25日。クリスマスでした。

なぜかシェフがやってきて...

アイスクリームを待っていると、係の女の子ではなく、お店のシェフがプレートをもって登場しました。

「明日がお誕生日とお伺いしました。
こちらは当店からのささやかなバースデープレゼントでございます。お誕生日、おめでとうございます！」

そう言ってテーブルに置かれたプレートには、アイスクリーム2種とケーキがお洒落に盛り付けられており、私のプレートにはチョコで「HappyBirthday」と書かれていた上、ケーキ用のスパークル花火まで！

突然のサプライズに、嬉し涙が溢れました。

アイスティーが飲みたかった後輩の一言から始まり、係の女の子の勘違い、そして誕生日だという言葉をシェフに伝えてくれた事、それらの小さな奇跡が重なって一生忘れられない素敵な誕生日のバスツアーになりました。

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