「大事な商談に向かう途中で車が脱輪。焦る私を見た通りすがりのオジサンが、ニヤニヤ顔で去ったあと...」(東京都・50代男性)
2022.05.15 11:00
「どうせ可愛い姉ちゃん見てて落ちたんやろ」
作業服の人たちは車の四隅に散らばり、そのうちのひとりが私に声をかけてきました。
「車押すからハンドル操作頼むな」
よく見ると、声をかけてきたのは先ほどニヤニヤしながら通り過ぎて行ったおじさんでした。
そう気づいたものの、おじさんたちの勢いに押された私は、とりあえず言われるままに車が押されたタイミングにあわせてハンドルをきりました。すると、車はあっけなく側溝から脱出できたのです。
「どうせ可愛い姉ちゃん見てて落ちたんやろ。ちゃんと前見て運転せえよー」
最後に笑顔でそんな冗談を言いながら、おじさんたちは去っていきました。
作業服のおじさんたちが助けてくれた。
そうです。通り過ぎて行ったおじさんのあのニヤニヤは、冷やかしたわけではなく、「仲間を連れてくるから待っとけや」の笑顔だったのです。