「文化財」なお菓子から、流行りのメチャおしゃデザートまで 歩いて巡る北九州・今昔スイーツ旅
「文化財」なお菓子を実食
ぜんざいで温まったところで、小倉城の周りの勝山公園もちょっと散策してみることに。
勝山公園は、「21世紀の都心のオアシス」をテーマに整備された公園で、小倉城以外にも図書館などの文化施設や、子供用の遊具のある遊び場、運動できる広場などもある。なにより、川沿いにたくさん緑が広がっていて、心地いい。この中を歩くだけで、開放的な気持ちになってくる。
広い園内を散策していたら何だかちょっと小腹が空いてきた。
というわけで、公園のベンチで小倉城を眺めながら、集めたお菓子たちを食べることに。
まずは、湖月堂の栗饅頭から。
しっとりとした白あんの中に甘く煮た栗が入っており、その食感の違いが楽しい。その甘さと饅頭の皮の香ばしさもよくマッチしていて、とても上品な味だ。
続いて、小倉の老舗和菓子店「藤屋」の「小菊饅頭」。大正時代末期に藤田音吉が漁業の傍ら、長崎街道沿いで蒸し饅頭を商ったのが始まりだという。
黒と白の2種類の餡が入った饅頭はとても小さくて可愛らしい。甘さもちょうどよく、いくらでも食べられてしまいそう。電子レンジや蒸し器で温めると、蒸し立ての味わいも楽しめるそうだ。
そして最後は、いろは屋(入江製菓)の「いちごの金平糖」。
箱を開けてみて、その見た目に少し驚いた。
金平糖というと、トゲトゲして透き通ったものだと思い込んでいたからだ。しかし、この不揃いな形こそ、手作り金平糖の証だそう。
金平糖が日本に広まったきっかけは、長崎から北九州に来て布教活動を行っていた宣教師ルイス・フロイスが織田信長に献上したことである、ということから、構成文化財に選ばれている。