「コロナ移住」一瞬でも考えた人に教えたい 北九州市「お試し居住ライト」参加して分かったその魅力とは
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で広まってきたテレワーク。
パソコンがあればどこでも仕事ができるようになり、もはや都会に住む理由はなくなった――。そう思い始めた人もいるのではないだろうか。Jタウンネット編集部で記者をしている筆者も、そのひとりだ。
24年間ずっと神奈川県横浜市の実家に暮らしてきたが、最近は会社まで1時間ほどかけて通うこともずいぶん減ってきた。こうなってくると、別にここで暮らしている必要はない気がする。
そんな筆者の元に、福岡県北九州市が行っている「お試し居住ライト」の取材依頼が舞い込んできた。7月に取材した「オンライン移住相談」の次のステップになるのだろうか。
お試し居住ライトとは、最短で2泊3日からできる北九州市への移住体験。
宿泊先は参加者の要望にあわせて、小倉・門司港・平尾台の3か所から選ぶことができる。
たとえば、街中で暮らしたい、ワーキングスペースを利用したいという人は小倉に、海の近くで暮らしたい、交流を楽しみたいという人は門司港に、大自然の中で暮らしたい、農業に興味があるという人は平尾台に、といった具合に、それぞれの目的に沿った移住先が用意されているようだ。
北九州市では元々、「お試し居住スタンダード」というプランがある。これは専用の住宅で、移住コーディネーターのサポートを受けながら住まいや仕事探し、学校や保育所の見学などが行えるもの。移住体験としてはとてもいいが、このプランは最短で1週間からで、少しハードルが高い......ような気がする。
だが、この「ライト」は期間も短く、特に予定がびっちりと決まっているわけではない。なんとも気軽だ。テレワークが定着すればするほど、筆者の移住への思いは募っていくばかり。この機会にぜひ、北九州市への移住を体験してみたい――。
ということで、実際にこの「お試し居住ライト」に参加することにした。
宿泊先に選んだのは、門司港の「ゲストハウス PORTO」。
ここは、前回オンラインで移住相談に乗ってもらった相談員の菊池勇太さん(31)がオーナーのゲストハウスだ。同じく港町である横浜出身の筆者は、オンラインで門司港の魅力を聞いてからというものずっとこの土地が気になっていた。
それに、もし筆者が実際に移住するとなれば、単身ですることになる。その場合、見知らぬ土地でひとり、上手くやっていけるのか、地元の人たちと交流などは出来るのだろうか......というのもとても不安だ。
門司港は、そんな人にオススメの場所らしいのだ。お試し居住ライトのパンフレットにも
「温かくて心地いい、地元の人と交流を楽しむ」
と紹介されている。
どうやら、北九州市の中でも特に、門司港には人懐っこくて陽気な人が多いらしい。
どちらかといえば人見知りな筆者だが、地元のひとたちと温かい交流ができるならしてみたい。そして単身での移住が可能なのか確かめてみたい――そんな理由から、この門司港のPORTOを今回の拠点に決めた。
そして10月某日、期待と不安を胸に、筆者は人生初となる福岡県北九州市へと飛んだ。