「超満員の新幹線で嘔吐。口からこぼれ落ちそうなゲロを押さえ、近くのおじさんに助けを求めたが...」(大阪府・40代女性)
2021.10.29 11:00
「トイレ?トイレ行きたいの?」
私は藁にもすがる思いで、目の前に立っていたサラリーマン風のおじさんの肩を叩きました。
喋れないので横の壁に「トイレ」と指で書いたのです。
「トイレはどこですか?」と聞きたかったのですが、おじさんにはなかなか分かってもらえず、絶望しかけたその時――
「トイレ?トイレ行きたいの?」
と右側から女性の声がしたかと思ったら、すぐさま「次降りるよ!荷物は?」と言われました。
喋れない私は真下に置いた自分の荷物を指さしました。
「これだけ?」と聞かれ、うんうんと頷く私。那須塩原駅に到着したと同時にその女性が「降りるよ!」と言って私の荷物と自分の荷物を担ぎ、私の片手を引っ張ります。
「すみません!降ります!」
そう言いながら車両を降り、人混みをかき分けてホームを走りました。