「超満員の新幹線で嘔吐。口からこぼれ落ちそうなゲロを押さえ、近くのおじさんに助けを求めたが...」(大阪府・40代女性)
新幹線の車内で嘔吐してしまい、絶対絶命のピンチに陥ってしまった――。
大阪府在住のKさん(仮名、40代女性)から、そんな体験談がJタウンネット編集部に寄せられた。
それは25年以上前のこと。
当時、秋田の実家を離れ、静岡の専門学校に通っていたKさん。
年末に秋田の実家に帰省し、静岡に戻るべく超満員の東北新幹線に乗り込んだ。
しかし、ぎゅうぎゅう詰めの車内で次第に気分が悪くなり、Kさんは思わず口の中に嘔吐してしまったそうで......。
もう1ミリも指を動かすことができません
今から四半世紀以上も前のことです。
当時、静岡の専門学校生だった私は、正月明けに帰省先の秋田から静岡へ戻るため、超満員の東北新幹線に乗り込みました。
行きは指定席を取ったものの、帰りは少しケチって自由席。当然座れる座席などあるはずもなく、北上駅から東京駅までの3時間少々、ドアの前で立ったままでした。
停車の度にグイグイ奥に押し込まれ、まさにぎゅうぎゅう詰めといった感じ。昔から乗り物酔いが激しかった私は段々気分が悪くなり、堪えきれず口の中に嘔吐してしまいました。
必死で口を押さえ、もう1ミリも指を動かすことができません。
もう絶体絶命!!しかし、まだ東京までは遥か彼方......どうにかしてトイレに行かねば!と必死でした。
「トイレ?トイレ行きたいの?」
私は藁にもすがる思いで、目の前に立っていたサラリーマン風のおじさんの肩を叩きました。
喋れないので横の壁に「トイレ」と指で書いたのです。
「トイレはどこですか?」と聞きたかったのですが、おじさんにはなかなか分かってもらえず、絶望しかけたその時――
「トイレ?トイレ行きたいの?」
と右側から女性の声がしたかと思ったら、すぐさま「次降りるよ!荷物は?」と言われました。
喋れない私は真下に置いた自分の荷物を指さしました。
「これだけ?」と聞かれ、うんうんと頷く私。那須塩原駅に到着したと同時にその女性が「降りるよ!」と言って私の荷物と自分の荷物を担ぎ、私の片手を引っ張ります。
「すみません!降ります!」
そう言いながら車両を降り、人混みをかき分けてホームを走りました。
「本当に神はいるんだな、と思いました」
彼女のおかげで私はトイレのある車両に乗り込むことができ、事なきを得ました。
後でお礼を言ったところ、その方は石巻出身で、東京で看護学生をしているとのこと。当時私は19才。その方も私とさほど変わらない年齢だったはずです。
私がもし同じ立場だったら、果たして同じことができただろうか?と、その方の判断と行動力に感謝してもしきれません。
本当に神はいるんだな、と思いました。
あの時は助けていただきありがとうございました。
(29日23時20分編集部追記:記事初出時、地名に誤りがありましたので修正しました)
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Kさんの絶対絶命のピンチを救ってくれた通りすがりの女性。その女性がいなければ大変なことになっていたかもしれない。
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