よくないとは思いながらも、体の不調をつい、市販の薬で誤魔化してしまう――そんな経験、ないだろうか。体調が悪ければ悪いほど、病院に行く気力がなくなってしまう、なんてこともある。愛知県在住の読者・Mさん(仮名、40代女性)は20年ほど前、そんな状況に陥っていた。 当時、彼女は夫からひどいモラルハラスメントを受けていたという。 ひどいモラハラを受けていた(画像はイメージ) 夫の暴言にさらされるうちに、彼女は腹痛に悩まされるようになった。 痛みを抑えるために服用していた胃腸薬もそのうち効かなくなり、彼女が頼ったのは市販の強力な下痢止め薬。大量に服用し、日々を過ごしていたそうだ。 彼女がJタウンネット宛に寄せたメールには、その薬をドラッグストアに買い足しに行ったある日の出来事が、綴られていた。 「あなたにはお売りできません」 20年近く前のことです。 まだモラハラ夫なんて言葉もなかった時代でしたが、私は夫からのモラルハラスメントのせいで、心も体もボロボロになっていました。 「お前のせいだ!お前が悪いんだ!」 と罵声を浴びせられ、無視もされる。そんな日々の中、「何もかも私が悪いんだ」と思うようになっていました。 そのせいか、私の身体は食べ物を受け付けなくなり、過敏性腸症候群になり、いつも腹痛に悩まされるように。どんな胃腸薬も効かなくなったので、誰にも内緒で、強力な下痢止めを大量に飲んでいました。 目立たずに薬を買える場所として、私が選んでいたのは大きな駅の中にあるドラッグストア。そこなら、きっと誰も客の顔を覚えていないだろうと思ったからです。 大きなドラッグストアを選んで薬を買っていた(画像はイメージ) その日は、3回目の来店でした。 いつものように下痢止めをあるだけ手にとっていたら真横に視線を感じました。見ると、そこで勤務されてた年配の男性の薬剤師さんのものでした。 その方は私をじっと見て、周りに聞こえない小さな声で言いました。 「あなたにはお売りできません」 薬剤師が目を潤ませて... 薬剤師さんは、言葉をつづけました。 「お腹相当痛いんでしょう? これは常用してはいけません」 でも、まさか売ってもらえないなんてことはあり得ないと思っていた私は、 「なんで!?これがないと暮らせない」 と泣いてしまったのです。 そんな私に対して、その方は同じように目を潤ませて、こう言いました。 「もう何回も買ってるでしょう?ずっと気になっていたんです。 薬剤師としてあなたには売れません。病院へ行って治療を受けてください。お願いします」 「生きる勇気をありがとう」 誰も見てないと思っていたのに、こんな私を心配してくれた人がいたなんて......。 その後私は、薬剤師さんの言うとおり病院へ行って、長く続く治療を始めました。夫とも、離婚しました。 薬剤師さんの言うとおり、病院に行った私は...(画像はイメージ) 今、私は食べることが大好きです。優しい男性と再婚もしました。 あの時、声をかけてくれた薬剤師さん。あなたの厳しい優しさと潤んだ瞳を忘れたことはありません。 「名前もわからずお礼も言えなかったけど、本当にありがとうございました。生きる勇気をありがとう」 誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて! いつも強い薬を買いにくるMさんを気にかけて、病院に行くことをすすめた薬剤師。目を潤ませて、本気で訴えてくれた彼の優しさがなければ、Mさんの体調はもっとひどくなっていたかもしれない。 Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。 このMさんにとっての薬剤師さんのように、自分を救ってくれた人に伝えたい「ありがとう」がある方はぜひその時の話を聞かせてほしい。 読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。 (※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)