「モラハラ夫に怒鳴られ続け、腹痛に。強い薬でやり過ごそうとしたら、薬剤師が『あなたには売れない』」(愛知県・40代女性)
「あなたにはお売りできません」
20年近く前のことです。
まだモラハラ夫なんて言葉もなかった時代でしたが、私は夫からのモラルハラスメントのせいで、心も体もボロボロになっていました。
「お前のせいだ!お前が悪いんだ!」
と罵声を浴びせられ、無視もされる。そんな日々の中、「何もかも私が悪いんだ」と思うようになっていました。
そのせいか、私の身体は食べ物を受け付けなくなり、過敏性腸症候群になり、いつも腹痛に悩まされるように。どんな胃腸薬も効かなくなったので、誰にも内緒で、強力な下痢止めを大量に飲んでいました。
目立たずに薬を買える場所として、私が選んでいたのは大きな駅の中にあるドラッグストア。そこなら、きっと誰も客の顔を覚えていないだろうと思ったからです。
その日は、3回目の来店でした。
いつものように下痢止めをあるだけ手にとっていたら真横に視線を感じました。見ると、そこで勤務されてた年配の男性の薬剤師さんのものでした。
その方は私をじっと見て、周りに聞こえない小さな声で言いました。
「あなたにはお売りできません」