これぞ海兵たちのオールドスタイル 旧日本海軍のレシピを復元した「よこすか海軍カレー」を食べる
元々は英国海軍の「カレーシチュー」
横尾さんによると、「海軍カレー」のそもそものルーツは、明治期に英国海軍から日本海軍に伝わった「カレーシチュー」である。
「昔の日本海軍は英国海軍を模範にしていたんですが、ある時日本海軍の皆さんが脚気になってしまうんです。それに対して一緒に演習をしていた英国海軍は全然元気で、その要因が食事にあるのではと考えた日本海軍が調べたところ、英国海軍は肉や野菜をシチュー状にしてスパイスを効かせた料理、カレーシチューを食べていたんです。
それで、最初は日本海軍もそれを真似して食べていたんですが、そのままだとご飯と合わせた時にどうもふやけておじやみたいになってしまう。そこで日本海軍の料理長が小麦粉を加えたことで誕生したのがカレーライスと言われています。
明治41年に発行された『海軍割烹術参考書』という指南書にその製法が記載されているので、少なくともこの時期にはすでに日本海軍の中でカレーライスが誕生していたということですね。その後、それぞれの故郷に戻った海軍さんたちが『とても美味しい料理だった』とカレーライスを全国に広めていったということで、横須賀は『海軍カレー発信の地』とされています」(横尾さん)
そして、この「海軍割烹術参考書」に書かれた製法こそが、「よこすか海軍カレー」のレシピの基礎となっているのだ。