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「当館は注文の多い博物館です」 宮沢賢治パロディで感染予防...小樽市総合博物館のポスターが話題に

井上 慧果

井上 慧果

2020.06.04 21:00
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「再度原作を読み直し...」

Jタウンネットは2020年6月4日、小樽市総合博物館を取材し、このポスターを発案した石川直章館長に話を聞いた。

ポスターは1日に営業を再開したときから掲示されているもので、前日の5月31日、館の公式フェイスブックに投稿してから徐々に評判となり、広まったという。

ポスターのデザインは、実は二種類。同館の本館と運河館という二つの施設の入り口に掲示しており、ポスターの下の山猫がいる建物がそれぞれの館をモチーフにしたものとなっている。ツイッター上で拡散されているものは本館バーションだ。

こちらは運河館バージョン(画像は小樽市総合博物館公式ツイッターより)
こちらは運河館バージョン(画像は小樽市総合博物館公式ツイッターより)

石川館長に「注文の多い博物館」ポスターを作成した経緯を聞くと

「私が5月の連休中にツイッターで東京都世田谷区にある『adito』というカフェが『注文の多い飲食店』として守ってほしい事項を書いてるのを見かけました。それを見てうちでも使いたい、と思いaditoさんにご連絡をして使用許可を頂き、作成することにしました」

とのこと。

また、参考にしたカフェではシンプルに注意事項を伝えていたが

「うちは博物館なのでデザインもこだわってみよう...! と思いました。そのために再度原作を読み直し、使えそうなところを抜き出しました。どうも博物館なので、しっかり元ネタを確認するという癖がついているんですよね」(石川館長)

そして館長が抜き出した注意書きに使えそうな文章を、同館の学芸員である鈴木博子さんがレイアウトや細かな部分をデザインし、ポスターができあがったという。

今回、インターネット上で話題になったことについて、館長は

「当館は今までこのようにバズった、ことはなく、初めてのことなのでとても驚いています。

ただ注意事項をベタベタと貼るのは心苦しいと思い、子どもから大人までみんなが親しみやすく読んでもらいたい、との思いを鈴木にも伝え、それをしっかり引き継いでもらって、このポスターができあがりました。

これを見た皆さんに少しでも笑ってもらえれば、とも思っていたので、インターネット上で話題にして頂けて嬉しいです。

それから、見れば誰でも元ネタが分かり、中には僕たちが書いた部分ではない本編の文章をパロディしてくれている方も見かけたので、宮沢賢治はすごいな......と改めて感じました」

と感想を話す。

観光地・小樽にあるという立地上、普段は来場者のほとんどが観光客だという小樽市総合博物館。まだ道内の移動しかできないという現状で、来場者数は限られている。

「状況が落ち着いてきたら、ぜひ注文を守っていただきながら、少しずつ当館に足を運んでほしいな、と思います」

と呼びかけた。

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