本当に同じ商品なの...? クリームソーダの注文数を5倍にした「盛り付けテク」がすごい
2019.09.16 12:00
SNSで「映え」を研究
小田さんによれば、投稿にあった「前年比500%」というのは岡山店におけるクリームソーダの注文数のこと。店の看板商品というわけではなく、あまり目立っていなかったメニューだけに驚きは大きかったようだ。
見た目が変わった大きな要因の一つにグラスの変更がある。
「うのまち珈琲店」のロゴとカモメの絵が入ったパフェ用のグラスに変えたが、以前はグラスに限りがあることから提供が難しかった。18年12月に奈良店をオープンするときにグラスを多めに作ったことがデザイン変更のきっかけだ。飲み物自体も青と透明のグラデーションがなるべく残るようにし、印象を大きく変えた。
提供時は素敵な盛り付けだと思っていても、SNSに投稿された写真をみると「ちょっと違うな」と感じることがあると小田さんは話す参考にしたのは、エゴサーチをしながら気づいた、作り手による「クセ」だ。
サクランボの位置や氷の入れ方、炭酸の注ぎ方など、大枠の作り方は同じでも多少の誤差が出ることをプラスに生かせないかと考えたという。
「他社でよくあるのがまずい物がないかというチェックなんですが、うちの場合は、なぜかそれが素敵に見えたり、なぜかこれは間抜けに見えたりするなどの傾向を蓄積していくために、エゴサーチをしています」
つまり、お客がSNSに投稿した写真を見ながら、盛り付けのブラッシュアップを続けているということだ。
こうして、アイスやサクランボの位置のほか、飲み物自体も青と透明のグラデーションがなるべく残るようにし、印象を大きく変えた。今ではクリームソーダを目当てにお店に来る人もいるといい、「旧デザインの頃はほとんどいなかったので驚いています」と、見た目が与える影響を肌で感じているようだ。