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彼はなぜ、脱サラして「プラレール」を始めたのか 路線再現で話題のYouTuberを直撃

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2019.08.12 12:00
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タカラトミーが販売している鉄道おもちゃ「プラレール」。青いレールを組み合わせた独自のコースにお気に入りの列車を走らせたことがある人も多いだろう。

公式サイトによれば、1959年に発売になってから基本的なモデルチェンジを一度も行っていないというプラレール。子供だけでなく、鉄道好きな大人にとっても親しみ深いアイテムとなり、人気を集めている。

そんなプラレールで実際の鉄道路線を再現している人物がいる。脱サラして参加型展示会「プラフェス」の主催やYouTuberとして活動を続ける松岡純正さん(31)だ。

小田急線を再現。画像は松岡さんのツイートより
小田急線を再現。画像は松岡さんのツイートより

上の画像は2019年7月下旬に行われた小田急電鉄のイベントの際に、プラレールで小田急線全線を再現した時のもの。ネット上では「素晴らしいです」「すげえ」などの声が上がり、松岡さんの活動に注目が集まっている。

Jタウンネット編集部は話題の松岡さんに接触を試みた――。

会社員生活に疑問を感じて...

松岡さん(画像は松岡さんの公式YouTubeより)
松岡さん(画像は松岡さんの公式YouTubeより)

過去には山手線全駅再現(17年)、東京地下鉄全駅再現(19年)を行ったこともある松岡さん。Jタウンネットの取材に、

「GoogleMapを見て設計図を書きながら、プラレールでどうやって各駅の形に仕上げるか、また、どうやったら多くの人から共感を得られるかを考えること。大体いつもこの2点に苦労します」

と自身の制作について話す。プラレール作りを続ける上で大切にしていることは「健康と予算と情報収集と情報発信」だとのことで、ストイックに「仕事」に打ち込んでいる様子をうかがわせた。

品川駅(画像は松岡さんのツイートより)
品川駅(画像は松岡さんのツイートより)

14年から本格的に活動を開始し、現在までイベントの主催やYouTuberなどのプラレール関連の仕事一本で生活しているという松岡さん。それ以前は会社員として働いていたそうだが、会社員生活を通してある疑問を抱くようになったと説明する。

「会社員は2年間やりました。転職4回なので5社まわりました。ざっくり言いますと、パワハラや給料未払い、社員がお金をくすねていた、などがありました。そのときに、会社にしがみつく働き方に嫌悪や不安を抱くようになり、会社で働くこと以外の方法を探すようになりました」

そんな時に松岡さんが偶然出会ったのがプラレールの本だった。本の中には「鉄道玩具の世界にはまだまだ発展途上、専門家もいない」といった主旨のことが書かれてあったそうで、

「当時はまだプラレールの情報発信をしている人が少なかったので、やれば勝てると思った」

と確信。会社員を辞めると同時に、YouTubeでプラレールの動画を発信し始めたという。

気になる収入面については月収で30~50万円ほどで、企業案件が入るときには100万円くらいになることもあるそう。イベントなどがない日は動画のネタを考えたり、次回イベントの企画構想やSNSで情報発信をしたりしているという。

「世の中にはいろいろな働き方、生き方がある」

たとえば、プラレールで小田急線全線を再現する場合、完成までに5人がかりで6時間ほど時間を要するという。「全駅ではないのでかなり楽でした」とのことだが、設計図から考えるとなると、2、3日はかかるそうでいずれにせよ根気のいる作業のようだ。

過去に制作した作品の中で松岡さんが「人生が180度変わった作品」と振り返るのが17年に制作した山手線全駅再現。また、アニメや映画などを全部視聴し、話のつじつまが合うように路線図を作成した「きかんしゃトーマス再現」(18年)といった変わり種の企画にも取り組んだことがあるそうだ。

山手線全駅レイアウトの様子(画像は松岡さんのツイートより)
山手線全駅レイアウトの様子(画像は松岡さんのツイートより)

きかんしゃトーマス全駅再現(画像は松岡さんの公式サイトより)
きかんしゃトーマス全駅再現(画像は松岡さんの公式サイトより)

松岡さんは「レールの規格が60年間変わっていないのというのがよい」とプラレール作りの魅力について述べた上で、

「世の中にはいろいろな働き方、生き方があるので、自分の活動は、その一つに過ぎないですが、それが誰かの何かのヒントになればいい。それを増やすことが、抱負になります」

とした。

直近では、さいたま市プラザノース2階ギャラリーにて8月30日から9月1日の期間で直通50周年記念した京急・都営・京成全駅再現を予定。20年1月には同会場にて新幹線全駅再現東編も予定している。いずれも入場料は1000円(未就学児無料)。

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