新築を購入すると200万円の補助金がもらえる自治体も!子育て世帯向けの住宅支援制度とは?

2017年10月18日 08:00

補助金200万円という制度を利用、新築の夢果たす

それでは実際にこうした制度を利用した方は、実際、どう感じているのでしょうか。新築住宅に若者定住応援補助金として200万円が出るなど、子育て世帯への住宅支援が充実していることで知られる奥多摩町(東京都)で住宅を新築した清水さん(31)にお聞きしました。

清水さんは奥多摩町の生まれ育ち。昭島市にある電子機器メーカーに勤務し、妻と3人のお子さん(現在8歳、6歳、1歳)との5人家族で、青梅市に住んでいました。しかし、奥多摩の実家にいる両親が高齢化してきたことから、奥多摩町に戻ることを決意します。妻に相談したうえで、仕事も奥多摩町役場へと転職しました。「最初は、(他の地で育った)家内が奥多摩町に慣れる時間を考え、賃貸も選択肢にありました。しかし家内は心配ないと言ってくれましたし、自分も、"いつかは新築"と思っていたこともあって建てることに。もちろん奥多摩町に住宅支援制度があることは大きかったですね」と清水さんは振り返ります。
 
清水さんが利用した奥多摩町の制度は、まず、「若者定住応援補助金」です。これは45歳以下の夫婦、もしくは50歳以下で中学生以下の子どもがいる人、あるいは35歳以下の単身者を対象に、住宅を新築、増築、改築(リフォーム)、購入したとき、最大200万円の補助金が出るもの。新築なら一律200万円が、リフォームの場合は50万円以上の費用が発生すれば、その費用の2分の1、最大200万円までが補助されます。

加えて「利子補給」があります。こちらは金融機関からのローン融資額が500万円以上で償還期間が10年以上の場合、3年間にわたって、借入利率の2分の1の利子が補助される制度。住宅ローンを組む場合、これら2つの制度を利用するのが普通です。

清水さんの場合、両親が持つ土地を生前贈与してもらって家を建てたので、費用をかけるのは、ほぼ建物だけですみました。「ただ農地だった場所なので、造成工事の費用はかかりました。それでも出費はトータルで2350万円くらい。そこに200万円の補助と利子補給を受けたのでかなり助かりました」(清水さん)。

ローンは固定金利で組み、最初の10年の金利が低いので、補助金の200万円はすぐ使わず、10年後をめどに元金を減らす形で利用しようと計画しています。

「自分の家を持てた喜びはもちろん、両親のそばに来たことで、いざというときの心配がなくなったこと、自然の多い環境の中で、子どもがのびのびと育ってくれていることが大きな喜びです」(清水さん)。
 
奥多摩町にはこのほか、15年以上継続的に定住した場合、無償で土地付き住宅を譲渡する、「若者定住応援住宅」・「いなか暮らし支援住宅」もあります。これは町内に増えている空き家の有効活用も兼ねた施策です。 (リフォーム費用等は入居者の負担となりますが、前述の若者定住応援補助金が利用できます。)

【画像1】補助金を活用して建てた清水さんのご自宅。
【画像1】補助金を活用して建てた清水さんのご自宅。"いつかは新築"が現実に(画像提供/清水さん)
制度をよく調べ、直接、担当部署に相談することが大事

全国を見ると、子育て世帯の住宅購入では、新庄市(山形県)「若者住宅取得助成金」、北広島市(北海道)「ファーストマイホーム支援制度」などがあります。賃貸まで広げると、宇都宮市(栃木県)「若年夫婦・子育て世帯家賃補助制度」、静岡市(静岡県)「特定優良賃貸住宅(子育て)」、神戸市(兵庫県)「神戸市特定優良賃貸住宅子育て支援補助制度」、日出町(大分県)「日出町子育て世帯移住奨励補助金」など、たくさんの制度があります。

ちょっと残念なのは、こうした制度が、一般の若者層にあまり知られていないことです。官庁としては、知ってほしいのですが、予算は限られていますし、他の制度より突出した広報をするわけにもいかないからでしょう。
奥多摩町の「若者定住応援補助金」にしても、奥多摩町に縁のある人は、口コミなどで情報を得やすいのですが、一般に知られることは少ないようです。「テレビなどで取り上げられると、他府県からの問い合わせが一気に増えます」(清水さん)というのは、逆に、日常的に知られる機会が多くないことを示しているのではないでしょうか。

どの地方自治体のウェブサイトを見ても、子育て世帯への住宅支援のページにたどりつくのは案外手間取るもの。カテゴリーも「移住」、「住まい」、「子育て支援」など、自治体によってばらばらで、分かりにくいことが多いのです。

しかし、子育て世帯がこうした制度を知らないままでいるのは実にもったいないことです。また、補助の条件だけを読んで、該当しないとあきらめるのも早計です。
例えば埼玉県の新築分譲住宅の補助を受けるには、「子育て応援住宅」の認定を受けた住宅であることが条件です。
しかしこの認定は始まったばかりで、「子育て応援住宅」が大量に供給されているわけではありません。ですから現在、居住中の住宅が「子育て応援住宅」に該当しなくても、実際に専門家の指導を受け、既存住宅を適宜、改装して「子育て応援住宅」にすればすみます。しかしこうしたことは、官庁に直接相談しないとなかなか分かりません。

子育て中の方は、労をいとわず、制度をもつ地域を探し、直接、担当部署に問い合わせて、少しでも有利な条件で住宅を手に入れてほしいと思います。

●取材協力
・清水さん(奥多摩町役場)
・奥多摩町
・埼玉県
・忠岡町

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