『もし京都が東京だったらマップ』の作者に聞く "いま"の京都

2016年9月11日 15:05

京都が好きで好きで「京都に住む」ことを目標にしている筆者。以前当サイトでも紹介した京都移住計画の「住」部門を担い、不動産のプロとして活躍する岸本千佳さん(30歳)が、2015年にブログに発表して話題になった「もし京都が東京だったらマップ」が、9月10日に新書として発売されると耳にした。さっそく話を伺いに行って、最近の京都事情を教えてもらった。
神社仏閣などの歴史をひもとく「京都本」ではない本を出したかった

「京都に住んでいないけど京都が大好きという人たちのなかには、京都は全部が神社仏閣や京町家だと思っているようなところがある。京都にはもっといろいろな顔があって、それを知ってもらいたいと思いました」と岸本さん。確かにそういう場面は多い。筆者が京都好きだというと「おすすめのお寺は?」とか「見どころは?」とか聞かれて困ることが多い。年に何回も行ってはいるが、毎回そういった観光地に行っているわけではない。

むしろ観光客が歩いていない住宅地をうろうろしていたり、喫茶店をいくつも回ってボーっとしていたりする。目的なく歩いていてもおもしろいのが「京都」だと思っている。職住近接の街なので、静かな裏通りに変わった看板を見つけたり、有名な喫茶店なのにご近所のたまり場のようになっていたり。そんなおもしろさは、ほかの人も共感してくれるかどうか分からないので簡単に勧められない。

そんなもどかしさを解決してくれたのが、このマップだ。【叡電(えいでん)沿い⇔中央線】や【西陣⇔谷中】、【四条~五条⇔蔵前】など、京都のエリアを「東京でいうと......」という形で表している。私が年中足を運んでいるメジャーではない場所のうまく説明できない魅力を、このマップが示してくれたような気がした。

「京都を紹介する本は多いですが、どうしても観光地の歴史をひもとくような本が中心になります。今回はもっと京都の『いま』を伝えたいと思いました」と岸本さん。街は生き物であり、どんどん変わっていくものだ。歴史のある京都の姿だけではなく、2016年の京都を伝えたいと思ったそうだ。

【画像1】岸本千佳さん。友人のアーティストに頼んで書いてもらったイラストが印象的な事務所で話を伺った(写真撮影/四宮朱美)
【画像1】岸本千佳さん。友人のアーティストに頼んで書いてもらったイラストが印象的な事務所で話を伺った(写真撮影/四宮朱美)
「京都」と「東京」で生活した経験があるからつくれるマップ

岸本さんは京都で生まれ育ち、東京の不動産ベンチャーで5年間働き、2014年に京都に戻ってきた。東京ではシェアハウスの運営や改装可能な賃貸など、新しい住まい方を提案していた。その延長で「もっと自由な暮らし方があってもいいんじゃないか」と思いはじめ、二拠点居住やシェア別荘、ひいては「移住」のような暮らし方を自然と考えはじめたそうだ。

「5年間東京のリノベーション業界で、自分より経験の多い人たちに囲まれて働いていたのですが、自分が東京で働く意味があるのかと考えるようになりました。京都だったら、"自分自身"の需要がありそうだと思い立ち、京都に帰ってきました」と岸本さん。京都移住計画のメンバーとして、移住希望者の住まい探しや店舗探しの相談に乗ることも多い。

「『どこに住めばいいですか』という質問に、簡単には答えられません。その人がどんな暮らしがしたいか、何を優先順位にしているかなど、じっくりヒアリングしないと、その人に合った場所は見つけられません。できれば自分で歩き回って答えを出してほしいですが、そんな人の目安になればと思って、このマップをつくりました」と岸本さん。

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