3芯あるのに赤しか書けない 島原鉄道「赤字ペン」の開き直りがすごいと話題に→なぜ制作?担当者に聞いた

2020年11月28日 08:00

ローカル鉄道の経営は厳しいとはよく聞くが、そうした状況を開き直って、赤字を売り物にした鉄道会社が現れた。長崎県の島原半島一体で鉄道、路線バス事業などを経営する島原鉄道である。

その代表取締役社長の永井和久さんが、2020年11月17日、次のようなツイートを投稿し、注目を集めている。

画像は、新商品のチラシのようだが、なんと「赤字ペン」という名称の商品らしい。一見、ふつうの3色ボールペンに見えるが、チラシのキャッチコピーは、

「赤字の鉄道会社だからこそ作れた珠玉の1本!!」

違うのはペンの太さだけ、3色すべてが赤色......らしい。あまりにも大胆不敵な商品企画に脱帽するしかないだろう。値段は550円(税込)、赤字覚悟だそうだ。

ツイッターには、こんな声が寄せられている。

「赤字を逆手に取るとは面白い!ぜひ買わせていただきます」
「自虐がすぎる...っ! 自虐がすぎるよ島鉄さんよ...っ!」
「赤ペンて結構使うんですよねー」
「いや、印刷・出版関係で朱入れする人は、ガチで欲しいかもしれない」

赤字ペンを発売したのは、いったいなぜか? Jタウンネット記者は島原鉄道に電話取材した。

「かつてない記録的な売上」

ノールックですぐに赤字線が引ける(写真提供は、すべて島原鉄道)
ノールックですぐに赤字線が引ける(写真提供は、すべて島原鉄道)

Jタウンネット記者の取材に応じたのは、島原鉄道の営業統括部担当者だ。

赤字ペン企画のきっかけについて聞くと......、「弊社代表・永井の思いつきがきっかけでした」と即答した。つまり社長のアイデアだったのだ。チラシの中には、社長のコメントというコーナーが設けられている。こちらをご参照いただこう。

社長のコメントもまじめそのもの
社長のコメントもまじめそのもの

ジョークでも、自虐でもなく、かなりまじめに考えて、赤字ペンは誕生したそうだ。

「もちろん、長崎県の小さな鉄道会社が何かおもしろいことをやっているな、と話題になれば、知名度も上がり、ひいては観光客も増えるかもしれないという期待があったことも確かです。おかげさまで、発売3日で約1000本販売しました」

島原鉄道の関連グッズではいまだかつてない記録的な売上の伸びだと、担当者は胸を張った。販売しているのは、島原鉄道沿線の駅、バスターミナルなどの他、オンライン通販「しまてつショップ」でも購入できる。

3色すべて赤字ペン、太さが違うのだ
3色すべて赤字ペン、太さが違うのだ

経営改善で「黒字ペン」発売も?

営業統括部担当者はこうも語った。

「銚子電鉄さんの二番煎じではないかと言われる方もいらっしゃるかと思いますが、けっしてそうではありません。私たちは自分たちで考え、行きつく先がここだったのです」

まじめに考えた結果、赤字ペンにたどり着いたのだ、と強調した。その表れの一つが、「しまてつの赤字グラフ」だ。

それを見ると、1990年から続く赤字がグラフ化されている。赤字に関しては、相当ベテランのようだ。しかし将来的には、黒字化を目指しているようだが......。近い将来、黒字ペンの発売も期待されている。

赤字ペンを買うと付いてくる、赤字グラフ
赤字ペンを買うと付いてくる、赤字グラフ

赤字ペンを買うと付いてくるものが、もう一つある。取扱説明書だ。赤字ペンを使用する際の注意が細かく記されている。そこには......、

「このペンを使用することで赤字になるわけではありませんのでご安心ください」
「赤の他人の帳簿に勝手に赤字を記入しないでください」
「このペンを使用すると、島原鉄道を応援したくなる場合があります」

10項目以上の使用上の注意が列記されている。「社員が知恵を出し合って書いたものです。楽しんで読んでいただければ幸いです」と担当者。チラシの作成や付録の隅々にまで、若手社員のアイデアが結集されているそうだ。

島原鉄道 幸せの黄色い列車
島原鉄道 幸せの黄色い列車

取扱説明書の最後に、「島原鉄道が黒字になった場合には、黒字ペンを発売する可能性があります」とあった。社員の力を全集中すれば、黒字化も夢ではないかもしれない。早く黒字ペンが発売されるように、頑張ってもらいたいものだ。

島原鉄道は、長崎県諫早市の諫早駅から島原市の島原港駅までを結ぶ。コロナ禍がおさまったら、読者も島原半島の旅へ、いかがだろう。

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