「寮の朝食をいつも食べられなかった高校時代。毎朝ギリギリに起きる私に、調理担当の寮長が...」(京都府・40代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Aさん(京都府・40代男性)
Aさんは高校生の頃、寮で生活していた。
寮長がいつもおいしい料理を作ってくれていたが、当時のAさんは遊びたい盛りで......。
<Aさんの体験談>
高校生の時、家から離れて寮で生活していました。
食事を作ってくださるのは、コックをされていたこともある寮長さん。いつも私たちのために、温かく美味しい料理を作って帰りを待っていてくれていました。
しかし当時遊びたい盛りの私たちは、そんなことに感謝することもなく、夜遅くまで外出していたり、部屋で麻雀をしたり。ヤンチャもして、寮長さんには迷惑と心配をかけてばかりでした。
毎朝ギリギリに起きてくる私たちに、寮長が...
私たちの学校は札幌にあったのですが、寮はかなり離れた千歳市にあり、通学は朝早く電車に乗らなければ間に合いません。
なにぶん高校生ですから時間ギリギリまで寝ていたい気持ちが強く、朝食を食べられません。しかし電車に乗るとすぐお腹が空いてしまいます。
そんな私たちに、寮長さんは毎朝「3分待って!」と言って、卵やベーコンなどたくさん具の入ったホットサンドを手早く作ってくれました。
銀紙に包まれた温かい朝食を急いでカバンに入れ、ろくにありがとうも言わないまま、私たちは駅まで走って行きます。
そうして無事電車に乗って席に座るとほっと一息。窓の外の雪景色を見ながら銀紙を開けて、まだ温かいホットサンドにかぶりつくのです。そうやって長い道のりを毎朝通学していました。
寮には私たち高校生の他に大学生や社会人の方もいましたし、朝は寮長さんにとっても忙しい時間だったはず。そんな中で嫌な顔ひとつせず、朝食の特製弁当を作ってくれた寮長さんのことが、懐かしく思い出されます。
あれから20年以上経って、私は高校で教師をしています。高校生っていつの時代も生意気で食いしん坊です。寮長さん、あの時はありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。