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取材なのに、泣いちゃった... トーハク「150年後の国宝展」に集う宝物がエモすぎるから見てほしい

井上 慧果

井上 慧果

2022.12.16 08:00
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存在しない記憶が、蘇る!

父がくれたご当地キーホルダー
父がくれたご当地キーホルダー

こちらは応募者が40年前に、出張の多かった父からお土産でもらった「思い出のキーホルダー」だ。ご当地感あふれる、しかし最近はお土産屋さんでもあまり見なくなったようなデザインが並んでいて、ノスタルジーを喚起する。

父がくれた重みも大きさもいろいろなお土産袋にワクワクしたこと。未開封の袋を前にして、3姉妹でジャンケンしてからお土産を選んでいたこと。そんな応募者の思い出と共に展示されていて、平和でありふれた、けれど美しい日常の風景が思い浮かんだ。

キーホルダーたちが40年間も大切に保管されてきたのは、応募者がそんな日常をこの上なく愛しているからこそだろう。そう考えると、デザインから感じる懐かしさも相まって、胸がキュッと切なくなった。

そんな風に、すべての展示に胸を震わせていた記者。特に、コレがヤバかった。

おばあちゃん直伝レシピ
おばあちゃん直伝レシピ

「おばあちゃんの白いハヤシライスのレシピ」だ。

おばあちゃんが作っていたという「白いハヤシライス」の作り方を書いた、手書きのレシピだ。身近な材料だけで構成されたレシピ自体も、それを残しておきたいと思う気持ちも、ほろっと泣きそうになってしまうほど懐かしくて温かい。もちろん記者はこのハヤシライスを食べたことがないので、味の想像もつかないのだが、手書きのレシピを見ていると、「子供の頃に白いハヤシライスが食卓に並ぶのを楽しみに待っていた自分」という「存在しない記憶」がだんだん蘇ってくる。このレシピで作ったハヤシライスが自分の前に出てきたら、絶対号泣しちゃう......。

ほかにも、たくさんの思い出やエピソードと共に「誰かの宝物」が展示されている。見る人によって心に響く、そして涙腺を刺激する宝物はそれぞれ違うことだろう。

今回の展示品たちは、今後150年間、東京国立博物館で目録・記録として大切に保管されるそう。あなたにとっての宝物とは何かをきっと思い出せる――そんな「150 年後の国宝展―ワタシの宝物、ミライの宝物」は2023年1月29日まで開催中。東京国立博物館総合文化展観覧券、または開催中の東京国立博物館の特別展観覧券(※観覧当日に限る)で見ることができる。

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