「路上で頭から流血しながら『救急車は呼ばないで!』と叫ぶ私。突如現れた見知らぬ男性の車に乗せられ...」(兵庫県・40代女性)
バタバタバタッと血が......
我に返った時、私はアスファルトに寝転んだ状態で空を見上げていました。
周りには知らない人達が何人かいて、私を心配そうに覗き込んでいます。何が起きたか分からず、とりあえず起き上がってみると......ブレザータイプの制服のブラウスの襟にバタバタバタッと何かが当たる音が。
頭からの出血でした。
私も、周りの人も、ぶつかってきた男子高校生も、流血を見て呆然。誰かの「救急車呼びますね!」という声がしました。
しかし、当時思春期真っ只中だった私は、なぜか「救急車に乗ること」が異様に恥ずかしく思えてしまい、咄嗟に
「呼ばなくてもいいです!」
と叫んでいました。
困惑した空気が漂い、ぶつかってきた男子高校生はどうしたらいいのか分からなくなったのか、生徒手帳を差し出してきました。血はまだ止まりません。
「じゃあどうするんですか!?」誰かに聞かれ、いや私も知らねーし......と思っていたところに、一人の紳士が颯爽と現れました。