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海のにおいがしてきそう... 「カニのスペシャリスト」が開発したティーバッグが、リアルすぎて戸惑うレベル

井上 慧果

井上 慧果

2022.06.28 20:00
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お茶じゃなくて、別のものが滲みだしてきそうなティーバッグが、ツイッターで注目を集めている。

リアルすぎる...(画像はriya@_riyaさん提供)
リアルすぎる...(画像はriya@_riyaさん提供)

こちらがそのティーバッグ。なんと、深海に生息する巨大蟹・「タカアシガニ」の形をしているのだ。

2022年6月13日、切り絵作家の「riya」(@_riya)さんが

「友達がプレゼントでくれたタカアシガニの紅茶、想像よりずっとタカアシガニで湯をそそぐのがためらわれた」

とつぶやきと共に画像を投稿したところ、20日夕時点で8万6000件を超える「いいね」や

「これほしい...」
「こんなのカップの中にあったら卒倒しそう」
「これはスゴい!メーカーさんの発想と技術が素晴らしい」
「出汁パックじゃなくて紅茶なんや(笑)」

とさまざまな反応が多く寄せられ、話題となっている。

「そんなの売れないよ」と言われて...

(画像はriya@_riyaさん提供)
(画像はriya@_riyaさん提供)

あまりにもリアルでお湯を注ぐのをためらってしまうフォルムだが、いざお湯を入れてみたらどうなるのか。

こうである。

今にも動き出しそう...(画像は大翔水産提供)
今にも動き出しそう...(画像は大翔水産提供)

中に入っている茶葉の色がはっきりと透け、より「カニ」感が強まっている。脚の付け根も紅茶色に染まり、より一層リアルだ。ティーカップからはみ出すほどの大きさだし、こういうティーバッグだと知らなければ「何かいる!?」と後ずさってしまってもおかしくないだろう。

カニの形のティーバッグなんてものが、なぜこの世に生まれたのか。Jタウンネット記者は17日、販売元・大翔水産(埼玉県戸田市)の高橋翔太代表取締役を取材した。

そもそも「大翔水産」は、名前の通り「水産」事業をメインに行うために立ち上げられた会社。かつてはカニのスペシャリストとして、年間100トンものカニを販売していた(米中でのカニ価格高騰のため、現在は年間10~15トンほどに)。

しかし、「暇が嫌いな性格」だという高橋代表はその事業に加えて、イラストやウェブページの作成も事業として展開。その中で、とある茶葉販売店のショップサイトを作ることになったという。

「その際ネット通販で売れる物を何か新商品で出しませんかとお話したところ、イルカの形でティーバッグを作りたいんです、とのことでした。委託加工先を色々探したのですが、中々キャラクターの形状でティーバッグを作ってくれる会社が無く、さらに『使い捨てにそんな手間と費用かけるの?そんなの売れないよ』とも言われたことから、自社のみで開発することを決意しました」(高橋代表)

「胴体にたっぷり茶葉が入れられそう」

こうして同社ではティーバッグの開発を手掛けるようになり、現在は「OCEAN-TEABAG」というブランドで魚類や深海生物、海獣など様々な生き物をモチーフにしたティーバッグを販売している。

アクアリウムアソート ルイボス6種セット(OCEAN-TEABAGの販売サイトより)
アクアリウムアソート ルイボス6種セット(OCEAN-TEABAGの販売サイトより)

イルカや魚の形をしたティーバッグは、イメージしやすい。お湯の中で泳いでいる様子もきっとかわいいだろう。

しかし、なぜ「タカアシガニ」をティーバッグに? 生き物の中でも、かなりマニアックな部類に入るような気がするが......。

記者の質問に、高橋代表は

「海洋生物が大好きで、中でも深海生物が特に好きでして、深海生物でセットを作ったら面白いだろうなと思ったことがスタートでした。細長かったり変則的な形状の生物が多い中でタカアシガニは胴体にたっぷり茶葉を入れられそうだなと思い商品化を決めました」

と答える。確かに、タカアシガニの胴体には「カニミソ」がたっぷり入っている。茶葉も入れやすいに違いない。

「フフッ」と笑える商品とネタを提供

東京海洋大学(旧・東京水産大学)出身だという高橋代表は、ティーバッグの「リアルな形状」には強くこだわっているという。特にタカアシガニの足の関節などは、「今にも動き出しそうに仕上げております」。

また、外側だけでなく、ティーバッグの内側にもこだわりがたっぷり詰まっている。

「お茶については美味しい物にこだわるのはもちろんですが、ティーバッグ用に適したものを選ぶようにしております。茶葉のまま抽出したら美味しくても、ティーバッグに入れると全然味が出ず白湯のようになってしまう物も意外と多いのです。
特に弊社のティーバッグ素材はコシの強い物を使用しておりますので、それに負けずに、きちんと味が出る茶葉を使用しております」

ちなみに、タカアシガニのティーバッグの中にはアップルティーが入っている。ギフトとして購入する人が多いため、茶葉には万人受けするものを選んでいるそうだ。

今回、タカアシガニのティーバッグが注目を集めたことについて高橋代表は「これからも『フフッ』と笑っていただける商品とネタを提供し続けられるよう商品を作ってまいります」と語る。

「新・深海生物のティーバッグ」セット(OCEAN-TEABAGの販売サイトより)
「新・深海生物のティーバッグ」セット(OCEAN-TEABAGの販売サイトより)

同社の製品は、お茶の色と合わせて衝撃的な「襲い来るサメのティーバッグ(ハイビスカスティー)」や、人によってはゾワゾワしてしまう「グソクムシのティーバッグ(東方美人)」のような超個性的なアイテムから、青い色のお茶が出る「イルカのティーバッグ」、カップから身を乗り出しているように見える「コツメカワウソのティーバッグ」のように可愛いらしいものまでバリエーションは様々。気になった人は、「OCEAN-TEABAG」の公式サイトをチェックしてみて。

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