真夏でも扇風機しかない電車内 祖母を訪ねた一家の母がまるで家にいるような様子で娘に向かって(愛知県・70代以上男性)
祖母を訪ねた様子を楽しそうに話した娘。そのあと、わが子にポツリ語り掛けた母の言葉。
40年たった今も思い出す、「美しい心の情景」でした。
――Mさん(愛知県・70代以上男性)の体験談。
<Mさんからのおたより>
40年も前のことです。若い教師だった私は、とあることから人間不信に陥り、夏休みに何の目的もなく山陰に旅に出ました。
帰路のディーゼル急行の車内は、まさに酷暑。急行といえど扇風機しかない時代です。
大粒の汗をかいて、私は狭い通路に立っていました。
うつろな私を見かねてか、対面座席に大人と子ども4人で座っていた中の男性が、「バッグを持ちましょうか」と声をかけてくれました。
私は遠慮もなくバッグを持ってもらったので、さすがに何か言わなくてはと思い、子どもたちの年齢や学年などを半ば義理のように尋ねました。