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「電車の中で立てなくなり、視界は真っ暗。その時どこからか『おいでおいで』と声が聞こえて...」(千葉県・20代女性)

井上 慧果

井上 慧果

2022.06.18 08:00
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シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Rさん(千葉県・20代女性)

梅雨のある日。電車に乗っていたRさんは、急に体調を崩してしまった。

扉の横に寄りかかり、なんとか持ちこたえようとしたが、ついには耐えられなくなりその場にしゃがみ込んでしまう。

すでに視界は真っ暗になっていた。そんな彼女の耳に「おいでおいで」と呼ぶ声が聞こえてきたという。

雨の日の電車内で...(画像はイメージ)
雨の日の電車内で...(画像はイメージ)

<Rさんの体験談>

数年前の梅雨のある日、私は都内に向かう快速電車に乗りました。

雨の日で、混雑した車内には湿った空気が充満。そんな中で、私は軽く脱水を起こしたのか、気分が悪くなってしまったのです。

声がして、周囲を見渡すと...

快速電車のため一駅ごとの距離が長く、途中下車しようにも次の駅はまだしばらく先。扉の横のスペースに寄りかかっていたのですが、その内に立っていることもできなくなり、しゃがみ込んでしまいました。

うずくまっていては周りの人に心配される――そう思い、せめて顔だけは上げて平気なふりをしようとしました。でもその時にはもう、視界が真っ暗になっていたのです。

具合が悪く、しゃがみこんでしまい...(画像はイメージ)
具合が悪く、しゃがみこんでしまい...(画像はイメージ)

そんなとき、どこからか声がしました。

「おいでおいで」

私を呼んでいるようでした。

周囲を見回すと、目の前に1本の道ができているのがボンヤリ見えます。立っていた乗客の人たちがみんなで開けてくれた道でした。

その場にいたみんなが...

ふらふらして何も考えられないまま何とか立ち上がり、その道を歩いていくと、着いたのは優先席。

席をひとつ、空けてくれていたのです。

「もう、座り込んじゃっていたからさ、心配でさ」

席に座らせてもらい楽になるのを待っていたら、そんな年配の男性の声が近くから聞こえました。

おそらく、私の異変に気付いた方がいて、他の乗客の皆さんにそのことを知らせてくれたんだと思います。

そしてきっと、あの場にいた皆さんが、協力して動いてくださったのだと思います。

みんなで座らせてくれた(画像はイメージ)
みんなで座らせてくれた(画像はイメージ)

その時は体調が悪いあまり、何も考えられませんでしたが、後から思い返してなんて有難いことだったのかと思いました。そして、皆さんにきちんとお礼を言えなかったことを心から悔やみました。その後悔が、忘れられずにずっと残っています。

あの場にいたすべての方に今も心から感謝しています。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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