「一人なのか」「お腹空いてるだろ?」
丸刈りのジャージ姿の子供が新幹線に乗っているのが珍しかったのか、不安そうな顔していたのが気になったのか、スーツを着たそのおじさんは私に、「一人なのか」など色々話しかけてくれました。
そして、ひとしきり話した後、彼はおもむろに
「お腹空いてるだろ? 食堂車に食べに行こう」
と誘ってくれたのです。
余分なお金を持っていなかった私は返答に困って、「いえ、いいです」と断りました。
ですが、彼はニコニコしながら「お金は心配しなくていいから行こう」、と食堂車に連れていってくれたのです。