「キャバクラの仕事後、酔って電車で立てなくなった。その場にしゃがみ込む私に、乗客のおばあさんが...」(埼玉県・20代女性)
「若い子が座って...普通は譲るもんでしょ」
私は感謝の気持ちでいっぱいでしたが、体調が悪いのも事実だったので、お礼もそこそこにバッグを抱えて俯き、なんとか少しでも体調が悪化しないようにしていました。
しかし、それから2駅後には車内もいよいよ混み始めたらしく、自分の前にも人が立った気配がしました。そして、女性の声が聞こえてきました。
「若い子が座って...普通は譲るもんでしょ」
顔を上げると2人組のおばさんが私を睨んでいて、その隣には私に席を譲ってくれたおばあさんが立っていました。

「やっぱりそう思われてしまうよね」と思った私がすぐに立ち上がろうとすると、おばあさんが「体調悪いんだから座ってなさい!」と制止しました。
私が戸惑っていると、彼女の連れのおばあさんも「大丈夫だから。ね?」と腕を掴み、私を席に座り直させてくれたのです。
それに対して、目の前の2人組のおばさんのうち1人が「体調悪いって言ってもどう見ても...」と言いかけたのですが、それを遮るようにして席を譲ってくれたおばあさんが
「体調悪そうだったから私が彼女に席を譲ったんです」
と私を守るように肩をぽんぽんとして、「ゆっくりしてなさい」と言ってくれました。