「通学中に貧血を起こし、路上に座り込んだ私。気を失いかけながら上を向くと、見知らぬ男の人がいて...」(群馬県・60代女性)
横になれて救われた
今となってはうろ覚えですが、「どうしたの? 具合悪いの?」と聞かれ、私は頷くのがやっとでした。
男性はそんな私を手招きしてそっと見守りながら、寄りかかっていた白い壁のビルの通用口へと連れて行きました。
その時に彼から、「少しここで休んで行きなさい」と言われた気がします。
壁にくっついて長椅子が置いてあったので、私はそこに横になりました。それでとても救われて、気がつけばぐっすり眠っていました。
言われるままに横になった時に、「落ち着いたら声をかけずに行きなさい」と言われていたので、若かった私はお礼を伝えることもなく目覚めてすぐに学校に向かいました。
私がいたビルは、学校への近道で使う狭い路地にあり、時代が時代なら「なんて危ないことを! 知らない人について知らないビルに入って寝てしまうなんて!」と思ってしまいますよね。
後から、そこはなんの会社なのかなと気になって見に行ったら有名な銀行でした。そっと、私に一切触れることなく出入り口近くの長椅子で休ませて、休んだらそのまま行きなさいと言ってくれた、気遣いの素晴らしいあのときの方。
私の貧血はちょっと休むと元気になるので、あなたのご厚意は最高の処方箋でした。
もう50年近く経っていますが、忘れたことはありません。大変遅くなってしまいましたが、ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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