「通学中に貧血を起こし、路上に座り込んだ私。気を失いかけながら上を向くと、見知らぬ男の人がいて...」(群馬県・60代女性)
貧血で周りがぼやけて......
高校に通い始めてから、私は引っ越しをすることになりました。学校へはこれまでの 倍以上時間がかかる上に。乗り換えもしなければならない遠方です。始発の電車に乗らなければ遅刻になってしまうので、朝起きることが大変な私にとって過酷な毎日の始まりです。
駅から学校までは徒歩で20~30分。その日もいつものようにフラフラの状態で歩いていると、途中で貧血を起こし、周りがぼやけて見えなくなってきました。
これまでもひどい貧血のときは立っていることも出来ずにうずくまってしまったり、それでも駄目なときは時も場所も選べず倒れてしまったりしていましたので、「このままでは倒れてしまう」と思いました。
自分が倒れて救急車を呼ばれたり大騒ぎされたりする様子が走馬燈のように頭の中を駆け巡ります。
道路で倒れては駄目だ、と取りあえずその場にしゃがみ込み、壁に寄りかかって静かに目を閉じていたその時です。誰かが何か言っているのが遠くに聞こえてきました。もう倒れる寸前で気を失いかけていたのだと思います。
そ~っと上を向くと、男の人が居ました。