「特急『しなの』の揺れで酔ってしまった私。2席使って休んでいると、強面の男が『おい、姉ちゃん...』」(神奈川県・50代女性)
「とにかく休める場所をご提供します」
私は恥ずかしいやら恐いやら気持ち悪いやらで困っていると、車掌さんが
「とにかく休める場所をご提供しますので、よかったらお越しください。立てますか?」
と、私をどこかの個室のような場所に案内してくださいました。
トイレほどの広さの空間にイスがあるだけの場所でしたが、車両では開かなかった窓が開く部屋で、私はすぐに窓を開けてその横にぴったり座り、顔に当たる風に身を任せました。
少しずつ吐き気が薄くなっていくのを感じながら、そのまま長野駅まで休ませてもらう事ができました。
長野駅に下りた時、あのちょっと恐い系の男性の方はもういませんでした。
車掌さんに深くお礼をし、あの恐かった男性の方にも感謝の気持ちでいっぱいでしたので、電車を降りた後「特急しなの」に深く一礼をして、私は駅をあとにしました。
もう30年以上前の話ですが、今でもその方の容貌や服装、色付きのメガネからのぞくちょっと怖い目からは想像もできない優しさを思い出します。あの時は、本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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