ようやく家に帰れるのに「不安と恐怖で動けなかった」 津波を経験した女性が語った記憶と、伝えたい「ありがとう」
「1人になった途端に不安と恐怖で動けない」
翌朝、自衛隊の方々のおかげで外へ。津波で押し寄せた大量の車の上に毛布を敷いて、肩まで水に浸かった隊員の方の手を掴んで進んでいき、膝上くらいまで水が引いた道路に出られました。
その後、帰宅する方向ごとに数人でグループ分けされ、泥水で足元が見えないためマンホールへの落下やガレキで怪我をしないよう、自衛隊の方が先頭に立って1列で進みます。
なんとか水が完全に引いた所まで着くと、そこでグループは解散。私は1人になった途端に不安と恐怖で動けなくなってしまいました。
「どの道なら歩けるだろうか
家まで何時間かかるのだろうか」
そんなことを考えて立ち尽くす私に声をかけてくれたのは、同じグループにいた一人の男性でした。
彼は私を自宅まで案内してくれて、そこから車で私の家まで送ってくださったんです。