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ようやく家に帰れるのに「不安と恐怖で動けなかった」 津波を経験した女性が語った記憶と、伝えたい「ありがとう」

大山 雄也

大山 雄也

2022.03.10 11:00
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「自分もこの後どうなってしまうのか」

11年前の3月11日、派遣社員として勤めていた私は、宮城県多賀城市にある当時の職場で東日本大震災に遭いました。

幸いにも大きな建物の3階に避難ができ、2階の天井まで迫ってきた津波や窓の外の恐ろしい景色を震えながら見ていました。

なんとか携帯電話の充電が切れる前に家族に無事を知らせることはできたものの、外に出ることは到底できません。

ダンボールやビニールシートで防寒しつつ、ロッカーに置いていた飴を舐めるなどして朝を待ちました。

ビニールシートや段ボールで寒さをしのいだ(画像はイメージです)
ビニールシートや段ボールで寒さをしのいだ(画像はイメージです)

男性社員の方々が会社にあるものでボートを作り、看板にしがみいている人や、車の上に乗ったまま動けなくなってしまった方を助けていたのを覚えています。

残念ながら手遅れになってしまった方もいて、自分もこの後どうなってしまうのかと不安しかありませんでした。

「1人になった途端に不安と恐怖で動けない」
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