「『女のくせに』と言われながらも、頑張っていたトラック運転手の仕事。ある日配達に行った先で、同業者の男性が...」(都道府県年齢不明・女性)
全日本トラック協会が2021年10月23日と24日の2日間にわたって開催した「全国トラックドライバーコンテスト」。
トラックの巧みな運転技術を競うこの大会の女性部門で、岡山県岡山市の運送会社「岡山スイキュウ」に勤めるトラックドライバーの石原麻衣子さんが優勝した。
大手の運送会社を抑え、中小企業の星として優勝を飾った石原さんの活躍は、12月19日付の「FNNプライムオンライン」でも取り上げられるなど注目を集めている。
そんな中、Jタウンネット編集部にも女性トラックドライバーからのエピソードが寄せられた。
投稿を寄せてくれたAさんは、20代の頃にトラックの運転手として生計を立てていた。
子供の保育園代もかかり、ギリギリの生活を送る中、仕事で訪れたアパートで忘れられない出来事にあったという。
給料日まで残り5日で「200円しか無い!」
20代前半の頃です。
離婚したばかりで、お金が無く、子どもを育てるために大型商品を代引で個人宅の玄関まで運ぶトラック運転手の仕事をしていました。
当時の手取りは20万円ほど。アパート代に光熱費、携帯代、保育園代を払うと給料日前には、ほとんどお金が無い生活でした。仕事柄、普通の保育園では、お迎えに間に合わないため、無認可の保育園に子供を預けており、給料の半分以上が、保育園代に消えていきます。
給料日前になると「給料日まで、あと何日」と指折り数える日々。その時は、給料日まで、あと5日もあるのに200円しかありませんでした。
勤務時間が長くなれば、持参したおにぎりもなくなり、「お腹がすいた。でも、家に帰れば米も有るし乾麺もある!我慢しよう」とギリギリの生活を送っていました。
そんな生活を送る中、配送で訪れた何軒目かのアパートにベッドを持っていきました。「2階に、このベッド運ぶのか。キツイなあ」などと思い呼び鈴を鳴らすと、お腹の大きな奥様が出てきました。
「荷物そこに置いといて良いよ。後で、俺が運ぶから」
「これは、家の中まで運んでくださいのパターンか」
私はそう思い、荷物を運ぶために一度トラックに戻りました。
すると、家の中から男性の声が聞こえてきたのです。
「おねえちゃん!荷物そこに置いといて良いよ。後で、俺が運ぶから」
声をかけてくれた家の人に、玄関まで運ぶ決まりがあると伝えても、
「組立てる時に運ぶから、そこに置いといて。あ!金だったな」
とお金を持って下に降りてきてくれました。お礼を言って、お釣りを返そうとすると、
「あー。良いよ。ジュースでも飲みな」
「俺も運転手なんだけど、女でこの仕事大変だなあ。ジュースでも飲みながら、気をつけてやれよ」
と言って、お釣りをくれたんです。
まさに「神降臨」
当時、女性ドライバーは好奇の目で見られるような存在で、「女のくせに運転手なんて」とか「女で運転手やるなんて男探しに来たのか」などと言われることも多かったので、同じ運転手と認めてくれる人がいたのがとても嬉しかったです。
同時に所持金200円から脱却させてくれたことで、正に「神降臨」と思いました。本当に、辛い日々を送っていたのでとてもありがたく、未だに忘れられない出来事です。
頂いた2250円は、悩みに悩んだ末、当時60円に値上がりしたカニパンを買いました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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