地元民のソウルフードは「ハスカップおにぎり」!? 北海道・厚真町産ハスカップを食べてみた
2021.10.20 11:00
日の丸弁当の真ん中にハスカップ!?
「私が小さい頃は、ハスカップの塩漬けをご飯のお供にするのはもちろん、砂糖漬けにしてシロップを作り、ジュースにして飲むこともありました。おじいちゃんなんかは、焼酎漬けにしたりもしていましたね。
いずれも、ハスカップは保存食として食べるものでした」
そう語るのは、厚真町でハスカップを栽培する「ハスカップファーム山口農園」の農園長・山口善紀さん。
かつてハスカップは、加工して口にするのが「常識」だった。なぜなら、苦みや酸味が強く、そのまま食べておいしいものではなかったからだ。
ハスカップの群生地である厚真町には、塩漬けにしたハスカップを梅干しのようにご飯といっしょに食べる文化があるという。日の丸弁当のように、お弁当箱に詰めたご飯の真ん中にハスカップを添えることも。何より、中にハスカップの塩漬けが入った「ハスカップおにぎり」は、厚真町民のソウルフードなんだとか。
しかし、試食会で提供されたのは「そのままでも食べられる」ハスカップである。
厚真町では苦い実のなる木を取り除き、味の良い実のなる木を選抜して育てることで、苦味のないハスカップを生み出したという。
そんなハスカップがふんだんに使われた、試食会のメニューは、こんな感じ。
・調理されていないハスカップ
・ジャム
・スムージー
・ハスカップで作ったドレッシングをかけたサラダ
・非加熱のソース風ジャムとハスカップ入りレアチーズケーキのプレート
・ハスカップティー
これらに使用された「ゆうしげ」と「あつまみらい」はいずれも、厚真町でしか栽培されていない品種だ。
まずは、調理されていない果実をひと口ずつ頂く。
初めて食べた「ゆうしげ」のすっぱさには、かなり驚いた。記者が過去に食べた中で、これよりすっぱい果物はレモンぐらいのものだろう。
しかし、その直後に食べた「あつまみらい」のほうがさらにすっぱかった。
だが、確かにどちらにも「苦味」はなかった。