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考えすぎると怖くなるかも? 「明るい葬儀用品メーカー」が作ったシュールすぎるゆるキャラが話題

井上 慧果

井上 慧果

2021.08.17 06:00
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「葬儀場ならではのゆるキャラに出会った」

そんなコメントとともに投稿されたイラストが、ツイッターで注目を集めている。

背中に...(画像はヨアケノ@yoursilentface7さん提供)
背中に...(画像はヨアケノ@yoursilentface7さん提供)

こちらはツイッターユーザーのヨアケノさんが、2021年8月1日にツイートした画像。

「ひつぎひつじ」というキャラクターが描かれている。とても可愛らしくデフォルメされたヒツジだ。

しかし、その名の通り「棺」でもあるらしく、背中に蓋のようなものがついている。何ともシュールである......。

この衝撃的なビジュアルのキャラクターに、ツイッターでは

「中で寝たら良い夢見れそう...」
「構造とその役目を考えるとなかなかにホラー」
「一緒に燃やされるのかこの羊(困惑)」
「......開けたら、中のヒトと目が合いそう」

といった反応が寄せられている。「棺」であると考えれば考えるほど、ちょっと怖い想像が広がってしまうようだ。

Jタウンネット記者は投稿者のヨアケノさんと、「ひつぎひつじ」を活用する葬祭用品メーカー・三和物産(石川県金沢市)に話を聞いた。

「悲しい雰囲気がちょっと和らいだ」

ヨアケノさんは、祖母の葬儀のために滞在していた大阪府内の葬儀場で「ひつぎひつじ」に出会った。その時のことを、

「お通夜の番をやってまして疲労してたのですが、ふと見上げたカレンダーに載ってまして、面白いなと思っただけなのですが、悲しい雰囲気がちょっと和らいだとは言えるかもしれません」

と振り返る。

ヨアケノさんの悲しみを少し和らげた「ひつぎひつじ」を生み出したのは、「明るい葬儀用品メーカー」を名乗る三和物産だ。

同社常務取締役の西河誠人さんが、「ひつぎひつじ」について教えてくれた。

ひつぎひつじが誕生したのは19年9月。

「葬儀業界のイメージを変える、良くすることを目的に、今までの業界の常識にとらわれず明るいキャラクターによるSNS(Twitter)で発信していくためにひつぎひつじは生まれました」(西河さん)
広報活動をするひつぎひつじ(画像はひつぎひつじ公式ツイッターより)
広報活動をするひつぎひつじ(画像はひつぎひつじ公式ツイッターより)

「棺の形をした羊」という斬新なデザインとなったのは、どのような理由だったのか。 西河さんは

「これまでお客様用のイベント時に使用する入棺体験をお知らせするバナーがひつぎのキャラクターを使用していたところ、反応がよかったことと、三和物産が大事にしているオリジナルひつぎとかけてひつぎひつじとなりました」

と明かした。

普段のひつぎひつじは...

ひつぎひつじは「三和物産の新人広報社員」であり、実際にツイッターで精力的に広報活動を行っている。アカウント(@hitugihituji)を確認すると、21年8月時点で1万2000人を超えるユーザーにフォローされており、ツイッターを通じて他の企業とのコラボも行っているそうだ。

また、SNS以外の場所に姿を見せることもある。

神奈川工場(相模原市)の看板にも登場(画像はひつぎひつじ公式ツイッターより)
神奈川工場(相模原市)の看板にも登場(画像はひつぎひつじ公式ツイッターより)
「三和物産の様々なアウトプットに登場します。今回写真に撮られたカレンダーとか、商品を梱包するガムテープなど。あと今はコロナで難しいですが、葬儀社様が主催する入棺体験などのイベント案内やツールに登場しています」(西河さん)

ヨアケノさんが投稿した写真は、同社が年始に葬儀社に配布しているカレンダーの一部を撮影したもの。葬儀社の従業員向けに、様々な業界情報や商品案内が掲載されたサイトのQRコードが記載されている。

「休憩ついでにアクセスしてみてねっ!」というセリフは従業員に向けたものだという。

今回、ツイッター上でひつぎひつじが注目を集めたことに対し、西河さんは

「狙ったものではなかったのですが、たくさんの人に認知してもらえたのは嬉しいです。さまざまな反応があったのでそれも参考になりました。
普段棺など見ることがないので、ひつぎのキャラクターというのは、インパクトがあるんだなと思いました」

とコメント。

入館体験(画像は19年10月の三和物産プレスリリースより)
入館体験(画像は19年10月の三和物産プレスリリースより)

また、「棺」について以下のように語っている。

「あるアンケート調査で葬儀後に後悔する方が6~7割いらっしゃるそうです。後悔の一番の理由は情報不足です。突然なんの知識もないままにいろいろなものを決めなければいけない現状です。ひつぎひつじがきっかけでもいいのですが、メーカーとして故人に寄り添うことができる棺にも様々な種類があることを知ってもらえると嬉しいです」(西河さん)
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