「自分だけの旅行ガイド」で満喫する地域の魅力 飛騨高山の新ホテルで「サスティナブルトラベル」体験してみた!
絶景への感動を上回るスリル
2人1組のアクティビティのため、現地で知り合った女性といっしょに乗り込む。スタート地点の注意書きを見て、さらに不安は加速した。
「折り返しまでは降りない(休憩は折り返し地点で)
コースの途中で止まらない」
「コースは、片道3.3キロ・往復6.6キロ」
なんと、3.3キロメートルもの距離を止まらずにこぎ続けなければいけないらしい。あまり体力に自信のない記者。まあ電動自転車だし、そこまで必死にこがなくても進むだろう。大丈夫なはず......。
しかしこれが、想像以上にハードだった。
電動とはいえ、行きは上り。ペダルがずいぶん重く感じる。しかし、それどころではない恐怖体験が、このすぐ後に待ち受けていた。
線路はずいぶん高いところに敷かれており、そこから川を見下ろしながら走るコースだったのだ。
断崖絶壁とは言わないまでも、線路の横に柵などはないため、もしも自転車がコースから外れたら下へまっさかさま......と、怖い想像をしてしまう。
しかも、途中には線路がやや横に傾いているように感じる箇所があり、そこで体も傾くため、そのまま転げ落ちそうで非常にスリル満点なのだ。もちろん、自転車はしっかりと線路に固定されているので、その心配はないのだが......。
そして、途中には真っ暗なトンネルの中を進む場面も。
自転車のライトを点けて進むのだが、明かりはだいぶ小さく、頼りない。前の自転車と追突しないように、慎重にゆっくりこいでいく。
トンネルを出たときの開放感はひとしおだった。
もちろん、高いところから見下ろす透き通った川も絶景である。けれどそれを楽しむ心の余裕は一切ない......。
休憩なしで3.3キロを進む間、隣でいっしょに漕いでいる女性は、勢いよく流れる川や水の美しさに何度も歓声をあげていた。
記者がガチガチに固まっているのを見て心配してくれたのか、「見てください! きれいですよ!」と声もかけてくれたのだが、高さが怖くてじっくり景色を堪能できなかったのが悔やまれる。
高いところが苦手でない人なら、運動しながら最高の景色を味わえるはずだ。ぜひとも乗ってみてほしい。
他にも、選ばれた中から伝統工芸「飛騨春慶塗(ひだしゅんけいぬり)」のアクセサリーを販売している地元のお店を訪ねたり、江戸時代の古い町並みが残るエリアで、立ち並ぶお店の「飛騨牛にぎり」を食べ比べてみたり、高山の色んな魅力をホテルから見つけに行くことができた。
ホテルアラウンド高山は、まさに名前のとおり、ただの宿ではなくその「周辺」の魅力へと足を運ばせてくれる「ハブ」だった。
よくある観光地を巡るだけでは味わえない、「GOOD LOCAL」を満喫する旅が新たな主流になる日も、きっと遠くないだろう。