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クレオパトラが愛した「ガルギール」使った麺、岩手で誕生 一体どんな関りが?メーカーに聞いた

松葉 純一

松葉 純一

2021.05.29 08:17
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岩手県の南部に位置する奥州市の衣川といえば、平安時代の豪族安倍氏が拠点を構え、栄華を極めた藤原三代所縁の地としても知られる。みちのくの歌枕の地の一つとして名高い場所だ。

衣川に本拠を置く、とある企業がユニークな商品を発売した。2021年5月20日、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。

その名も「ガルギール生麺」という一風変わった名の食品だが、ガルギールとは、「昔、ある中東研究者がエジプトから種を持ち帰り、実兄の衣川村長に進言して栽培開始」した野菜だという。エジプトから岩手県へ......、いったいどういう縁だろう?

Jタウンネット記者は、投稿者の「カフェバグダッド」(@cafebaghdad)さんと、製造販売元のガルギール開発に取材した。

ツタンカーメンの黄金のマスクと中尊寺金色堂?

「カフェバグダッド」(@cafebaghdad)さんのツイートより

投稿者「カフェバグダッド」さんに、「ガルギール生麺」を実際に食べた感想を聞くと......

「もっちりとした歯ごたえがあり、かなりおいしいと思いました」(「カフェバグダッド」さん)

という返事だった。

「カフェバグダッド」さんは中東文化のファンだそうだが、中東文化と奥州平泉文化には関係があると考えているのだろうか?

「私は中東の国々で暮らした経験があるのですが、中東文化と奥州平泉文化には、どちらも黄金を使った芸術文化が繁栄していました。さらにいうと、高貴な人物をミイラにするという習慣も共通しています。
古代エジプトでは、ツタンカーメンの黄金のマスクが有名ですし、平泉では、中尊寺金色堂という黄金を多用した建築が有名ですね」(「カフェバグダッド」さん)

ツタンカーメンの黄金のマスクと中尊寺金色堂、そういえばゴールドつながり?

とはいえ、距離的には、相当はなれている。ナイル川と衣川、ロマンを感じないわけではないが......。

次にJタウンネット記者は、5月28日、岩手県奥州市に本拠を置くガルギール開発に電話した。電話取材に応えたのは、ガルギール開発担当者だった。

クレオパトラの美しさの源?

「カフェバグダッド」(@cafebaghdad)さんのツイートより
「ガルギールというのは、エジプト生まれのアブラナ科の野菜です。1995年、当時の衣川村村長だった佐々木秀康氏の実弟、佐々木良昭拓殖大学教授から種を預かったことがきっかけでした。
佐々木教授がエジプトに数年滞在していた時、その栄養価の高さに着目し、日本に持ち帰ったということです。衣川地区の農家で試験的に栽培したそうですが、結局、市場に出ることはなく、自家用に栽培されていたということです。
このガルギールの葉を刈り取って、粉末状にして、麺に練り込んでみたらどうかと考えたのが、弊社の大澤博代表でした。つるつるとした食感で食べやすく、冷やしてざるそばのように食べたり、また寒いときは温かくしてもおいしい、と好評です」(ガルギール開発担当者)

エジプト・ナイル川と奥州・衣川との接点はというと、衣川村元村長の実弟・佐々木良昭教授のエジプト滞在だったらしい。

「カフェバグダッド」(@cafebaghdad)さんのツイートより

ところで、ガルギールとはどんな野菜なのだろう? 

西洋野菜の「ルッコラ」の原種ではないかとも言われているが、「ゴマに似た芳ばしい香りがして、かすかに辛味や苦味もあります。基本的には生のままサラダなどの調理法が多いとされています」と担当者。

その栄養価の高さから古代エジプトでは、クレオパトラが美しさを保つために、好んで食べたと伝えられているそうだ。カルシウムはほうれん草の3.6倍、ビタミンCはキャベツの2.5倍も含まれているという。

一度食べてみたい人は、地元・奥州市や平泉の飲食店で探すといいだろう。ガルギール開発HPのオンライン通販でも購入できる。

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