キーワードは「東川らしさ」。人口8000人、北海道の小さな町が「普通のふるさと納税をやめた」理由
提供元:東川町
「うちの町は、他の町とは全然違うんです」
2020年2月、Jタウンネット編集部を訪れた菊地伸さんはそう熱く語った。
「うちの町」とは、北海道のほぼ真ん中に位置する東川町のこと。菊地さんは、東川町役場の職員で、ふるさと納税等を担当する「東川スタイル課」で課長を務めている。
ふるさと納税と聞けば、ほとんどの人が「返礼品」という言葉を連想するに違いない。ふるさと納税サイトにずらりと並ぶ美味しそうな特産品をゲットするために、知らない町に寄付したことがある人もいるだろう。
もちろん東川町でも、寄付者には返礼品を送る。目玉商品の一つ「東川米」は、天然の地下水で育てられた地域ブランド米で、ファンも多い。 しかし東川のふるさと納税は、寄付をしてもらうことだけが目的ではない、と菊地さんは説明する。
菊地さんによると、東川町ではふるさと納税を「ひがしかわ株主制度」と呼んでいる。
ふるさと納税の寄付を「投資」と捉え、寄付者が参加する「株主総会」などを通じて、株主にも町づくりに参加してもらっているのだそう。
町が行う「株主制度」、そして、寄付をした人とともに作る町とは、いったいどんなものなのだろう?
興味をひかれた筆者は、実際に東川町を訪れることにした。
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