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キーワードは「東川らしさ」。人口8000人、北海道の小さな町が「普通のふるさと納税をやめた」理由

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2020.09.03 17:30
提供元:東川町

都会との共存共栄を目指す「ひがしかわ株主制度」

ずっと住んできた人にも移住してきた人にも愛されている東川町で、5期にわたって町長を務めているのが松岡市郎さんだ。東川町出身で、元は役場の職員。03年に退職し、町長になった。

松岡町長から見て、東川町はどんな町なのか尋ねてみると、

「こんな町、僕は(他に)ないと思うんです」

との答え。

松岡市郎町長
松岡市郎町長

「(東川町は)とてつもない資源がある町だと思います。
自然的な条件からすると、大雪山国立公園の北海道最高峰の旭岳があるわけです。
そこは今から100年以上前、大町桂月という人(編注・詩人、随筆家)が登山をして、お花畑と羽衣の滝の凄さに魅せられている。
それから、雪のすごさ。雪は厄介者だったけれど、スキーやなんかにも使える。それに、雪が地下浸透して、それが我々の飲み水や温泉として使われている。
東川は地下から水を汲み上げて、上水道なしで水を飲んでいるんです。これは素晴らしい価値だと思います。
お風呂、トイレの流し水、日常生活で使う水全てがナチュラルミネラルウォーターです。
こんな暮らし(他には)多分ないと思います」

豊かな自然と美しい水。それだけでも魅力的だが、東川町の資源は自然だけではない、と松岡町長は続ける。

「旭川空港から10分です。東京では通勤に1時間とか2時間とかかかる人もいるでしょう。
東川からでも、2時間あれば東京へ行けるわけです」

東側には大自然、すぐ隣町は北海道第二の都市・旭川市。「こんなに条件のいいところはない」と松岡町長。

そして、この資源を活用する方法の一つが、「ひがしかわ株主制度」だという。

「都会にはない良さがここにあるわけです。
株主の皆さんに東川に来ていただいて、リフレッシュしてもらう。そして、何か新しいものを作り出してもらう。(東川には)都会のオフィスにはないそういう機能があると考えています」

東川町は都市部にはない価値を提供し、都市部の人々はそんな東川町を応援し、投資する。松岡町長は、東川町と都市との共存共栄を目指しているのだと語った。

寄付金と返礼品。その2つのただの交換では終わらない東川町のふるさと納税「ひがしかわ株主制度」。

それが一体どんなものなのか知るために町を訪れてみて、印象的だったのは東川町について語る時の人々の明るい表情だ。

インタビューした菊地さん、矢ノ目さん、松岡町長だけでなく、滞在中に出会った東川町で生まれ育った人たちや町外から移住してきた人たちが皆、「こんな場所は他にない」と誇らしげに話す。

自分たちが大好きな場所を、他の人たちにも知ってもらいたい。そんな純粋な思いが、株主制度の原動力になっているようだ。

町民から見た「株主」とは?
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