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松本市の大型イオン計画で見えた、「イオン」「商店街」「郊外店」の三角関係

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.06.17 16:48
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郊外/ロードサイドに客足は移り...

しかし地元商店にとっての脅威は、同じ中心部のイオンだけではない。というのも、商業の中心はすでに、郊外/ロードサイトに移っているからだ。2007年の小売業年間販売額は郊外/ロードサイドが約1563億円だったのに対し、中心部は700億円にすぎなかった。

駅前は地場の井上百貨店本店をはじめ、松本パルコ、アリオ松本などが店を構える。しかし、アリオ松本を除けばファミリーが1日楽しめる店とはいえなくなっているし、中心部の駐車場は不足し渋滞も激しい。

これに対して郊外のチェーン店は、無料駐車場を備え、さらにローコストオペレーションの結果として低価格を売りにしている。買い物客がわざわざ郊外に足を運ぶ理由がここにある。大きくなった企業は例外なく業務の効率化に成功している。地元商店が直面する大きな課題だ。

巨大モールに客を持って行かれるかもしれないが、しかしこのままでは郊外への流出も止まらない――イオン、地元商店、郊外店、まさに三角関係のジレンマだ。

現在のカタクラモールも地元商圏を押さえており平日昼間でも結構賑わっている。市のコンパクトシティ構想には不可欠の要素であることには間違いない。新しくできるモールも組み合わせ次第では地域活性化につながる施設となり得る。例えば、外部からやって来る観光客が車を駐車し、そこから中心部まで歩きながら蔵造りの街並みを楽しむ――というモデルも考えられなくない。

市のビジョンとイオンの建設計画をすり合わせる過程で、道路インフラを含めた解決法が見つかれば、地域住民にとってより望ましい街に発展していく可能性はある。20万人クラスの都市の中では全国トップクラスの賑わいを維持している松本。都市計画の行方を全国が注目している。

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